NPO法人化初の総会
「理事長のページ」 研究所ニュース No.4 掲載分
角瀬保雄
発行日2003年10月17日
昨年10月19日の設立総会から約半年、今年6月9日にNPO法人格の認証が下りてからの第一回の総会である2003年度定期総会が7月19日に開かれました。委任状出席者が多数を占めていたことは残念ではありますが、やむをえないところもあると思っています。民間研究所の総会はどこでもこうした実態で、わが研究所もその例外ではありえなかったということです。しかし、定款の規定による成立要件が満たされ、予定された議事が滞りなく終了したことはご同慶の至りでした。
事前に欠席者からの文書による意見表明が一通あり、全出席者に紹介されました。それは2002年度の決算に関し、事務所費が使いすぎの一方、研究費が予算通りに執行されてなく、効率が悪いという指摘がなされ、したがって決算議案に反対という意見でした。
その指摘に関しては、開会冒頭の理事長挨拶のなかでも触れ、専務理事の事業報告のなかで説明がなされ、決算は圧倒的多数の賛成で承認されました。この度『研究所ニュース』に「理事長のページ」が設けられた機会に、改めて事情の説明を補足しておきたいと思います。
2002年度は研究所活動の立ち上げの時期にあたり、その期間も02年10月19日から03年3月31日までの半年弱でしかありませんでした。活動も一歩一歩、試行錯誤的に進めざるをえませんでした。その結果、設立時に予定した事業計画も一部しか実行できず、研究委託費などの予算も大幅に余すことになったわけです。しかし、機関誌の発行など、この間の活動によって研究所の基礎が確立したことは確かといえます。この総会で3名の研究者理事の補充もなされ、研究所としての体制が整うことができました。03年度からは公開研究会の開催、受託研究の開始など研究所の活動が本格的に起動し始めるといってよいでしょう。8月からは地域実態調査も始まります。全面的な展開をみるにはいま少し時間がかかるものと思われますが、それに伴い研究費も大幅に増えることになりますので、ご理解のほどをお願いいたします。
なお研究費として計上されている科目は、形態別分類による狭義の研究費に限定されている点にも注目していただきたく思います。機能別分類による実質的な広義の研究費としては研究活動に関連した人件費なども当然含まれてきます。それらを含めると、すでにそれなりの規模の研究費を使っていることになります。
事務所費が使いすぎという点に関しては、内外に向けた事務所機能の確立期ということもあり、HP の立ち上げ費用、事務所備品費、事務用品費が予想以上にかかったということです。立ち上げ時のため正確な予想がつかなかったということがあります。当研究所の有能な事務局スタッフによる効率的な管理運営は、他の研究所に勝るとも劣らないものと、私は確信しおります。これからもよりいっそう効率的な管理運営に努めて行きたいと思っています。なお、今後、事業の展開にともなってさらなる人材の強化の必要もでてくることも予想されます。
一通とはいえ文書で意見が寄せられたことは、会員の積極的な関心の表明と受け止めております。定期総会の活性化、会員との日常的なコミュニケーションの強化とともに、研究活動への会員の自発的な参加を期待しております。同時に機関誌への「読者の声」など具体的なご意見を歓迎したいと思います。