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研究所の1年

「理事長のページ」 研究所ニュース No.7 掲載分

 角瀬保雄

発行日2004年07月25日


総研の04 年度定期総会が6月19日に開催され、新年度が始まりました。 NPO 法人となって最初の1 年間が経過したわけですが、会員も医療経済、社会福祉、協同組合、NPO など様々な分野の研究者73 名が個人会員として加わり、民医連関係者の個人会員72名と合わせて145名の個人会員を擁するようになりました。団体会員には民医連の県連のほか医療生協や勤医会など個々の法人の参加も増え、財政的なバックアップは強力なものとなり、研究所の基盤は確立したものといえます。

事業内容についても、機関誌、ニュースの定期刊行のほか、ブックレットを2 冊出版することができました。新たに共同研究1 件と個人研究2件に対して研究助成が行われることになりました。研究所内外から応募が集まり、そのなかには民医連院所の職員で、社会人大学院で研究を進めている若い人も含まれております。04年度にも新たな研究助成の募集が行われ、数年後にはそれらの成果が一斉に発表されることでしょう。またかねてから懸案であったワーキング・グループも3件立ち上げられ、共同研究によるその成果の発表が待たれます。したがって数年後にはこうした研究の成果が非営利・協同の実践に対して大きな理論的な貢献をすることが期待されます。

総会に書面で送られてきたで意見のなかで特記されるのは、現在政府が進めつつある公益法人改革に対する積極的な提案(対策)をつくることや海外の非営利協同事業の紹介、国際交流の強化が望むというのがありましたが、これらはすでに前年度から取組みが始まっています。また関西の介護福祉士養成施設に勤務されている研究者会員からは原稿投稿の希望が表明されました。積極的な研究参加はうれしい限りです。それにつけても東京が中心となりがちな日常の研究活動を全国各地の会員のところに広げる必要を痛感しますが、この点については研究助成やワーキング・グループの共同研究で取り組まれつつあります。今後は地域毎の自主的な研究会の立ち上げが課題になるかと思います。その成果がいずれ機関誌やワーキング・ペーパーに反映されるようになればと思っています。

新潟民医連からは「研究費と予算の差が大きいのは何故か」という御もっともな意見が寄せられましたが、この点については研究活動の立ち上げ期ということで御理解を得たいと思います。これから研究事業の全面展開とともにその差はどんどんと縮まっていくものと思います。

また前期は法人の初年度ということで役員の任期は1 年とされ、この総会で改選が行われました。前年度からのメンバーに民医連より八田英之、清水洋の2 名が新たに役員に加わり、強化がなされました。私も年のせいで頭のてっぺんから足の先まで(da capo a piedi)故障だらけですが、次の改選期まで2 年間頑張ることになりました。会員の皆さんの御支援、御協力をお願いする次第です。

ところで今年の総会の呼び物は公開ミニシンポ「破綻と再生から学ぶ非営利・協同の事業」で、山梨勤医会の倒産、大阪同仁会の「前倒産」とならんで民医連三大倒産の一つにあげられる北九州健和会の経営破綻問題が取り上げられました。そのテーマが広く関心を呼び、会場は立ち席が出るほどで、次年度はもっと広い会場を手配しなくてはと嬉しい悲鳴となりました。その成果は当日参加されなかった人を含めて広く共有できるように、なんらかの形で公にすることが考えられております。乞う御期待です。

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