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私の研究の視点と方法・技法(転載)

-リハビリテーション医学研究から医療経済・政策学研究へ

二木立

発行日2005年07月16日

2005年7月16日第1回日本福祉大学夏季大学院公開ゼミナール・全体講義・レジュメ(会場で配布したレジュメに、当日の口演に基づいて一部補足訂正:7.16-18)

(出所を明示していただければ、御自由に引用・転送していただいて結構ですが、他の雑誌に発表済みの拙論全文を別の雑誌・新聞に転載することを希望される方は、事前に初出誌の編集部と私の許可を求めて下さい。無断引用・
転載は固くお断りします。御笑読の上、率直な御感想・御質問・御意見等をいただければ幸いです))


「パワーポイントなどは使わない。証拠隠滅型電気紙芝居は嫌いだ。大量のプリント
を配布する」(村上宣寛『「心理テスト」はウソでした。』日経BP社,2005年)
「自分と同じ研究をするな。どうせやっても、ぼくを追い越すことはできない」
(野依良治教授。「朝日新聞」2001年10月18日朝刊)
「中山美穂さんにあこがれています。でも自分の目標じゃない。目標を作った途端に マネになっちゃうから」(佐藤藍子・女優。「朝日新聞」1996年11月1日夕刊)

はじめに

私は1972年に大学医学部を卒業後13年間、東京の地域病院で脳卒中早期リハビリテーションの診療と臨床研究に従事した後、1985年に本学に赴任しました。それ以降、20年間、医療経済学と医療政策研究(医療経済・政策学)の視点から、政策的意味合いが明確な実証研究と医療・介護政策の批判と提言の「二本立」の研究・言論活動を行ってきました。しかもこの間継続的に大学院教育を担当し、教育方法と内容の改善を行ってきました。
本講義では、このような研究・教育の「プロセス」をふり返りながら、私の研究の視点と方法・技法について、具体的にお話しします。受講生の皆さんが、この講義を通して、研究の意義と面白さ、および厳しさを理解し、自分なりの研究の視点と方法・技法を身につけるヒントを得ることを期待しています。ただし、時間の制約のため、私の研究技法については詳しくお話しできません。拙論「資料整理の技法と哲学」(『月刊/保険診療』2003年11月号~2004年3月号)を参考にしてください。

1.私の職業歴と研究歴

○私が「自分史」に触れる2つの理由

(1)東京都心の地域病院での臨床医時代(1972~1984年度=13年間)

(2)日本福祉大学での20年(1985年度~)

2.私の研究の視点と福祉関係者・若手研究者へ忠告

(1)私の研究の2つの心構え・スタンス

(2)福祉関係者・若手研究者への警告と独断ー「この世は業績」の視点から

3.私の研究領域と研究方法の特徴

(1)研究領域の限定-医師出身である「比較優位」を生かす

cf. 世界的な医療経済学者であるフュックス教授の医療経済学に最近参入した研究者への[5つの]助言のトップは「あなたのルーツを忘れるな」(拙訳「医療経済学の将来」『医療経済研究』8号,2000,100-102頁)。

(2)医療政策研究の一環として、日本医療についての「神話」・「通説」を実証研究に基づ き批判-その2つの手法

(3)医療政策の現状分析だけでなく、「客観的」将来予測にも挑戦し続けている―私の研究のもう1つの特徴

(詳しくは、「医療政策の将来予測の視点と方法」『月刊/保険診療』2004年9月号)

4.私の資料整理の技法と哲学(同名の論文参照)

-資料整理の苦手な社会人や若い研究者への3つのアドバイス

5.大学院「入院」生のための論文の書き方・研究方法論等の私的推薦図書と先行研究・調査の幅広い収集・検討のコツ(略)の紹介

おわりに-本学(社会人)大学院入学のすすめ

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