大学院「入院」生のための論文の書き方・研究方法論等の私的推薦図書(2008年度版,ver.10 転載)
二木立(大学院委員長)
発行日2008年04月01日
(出所を明示していただければ、御自由に引用・転送していただいて結構ですが、他の雑誌に発表済みの拙論全文を別の雑誌・新聞に転載することを希望される方は、事前に初出誌の編集部と私の許可を求めて下さい。無断引用・
転載は固くお断りします。御笑読の上、率直な御感想・御質問・御意見等をいただければ幸いです)
目次
- 大学院「入院」生のための論文の書き方・研究方法論等の私的推薦図書(2008年度版,ver.10)
- 先行研究・調査の幅広い収集・検討のコツ(2008年度版,ver 5)
「文科系」向きの概説書・入門書・教養書を示したが、専門書・研究書も一部掲載した(計189冊)。
テーマごとに、原則として、発行年が新しい順に示したが、複数のテーマにまたがる本も少なくない(特に、文章の書き方と論文の書き方、論文の書き方と研究方法論)。
原著と文庫本があるものは、入手しやすさを考慮して、確認できた限り、文庫本を示した(カッコ内に原著記載)。
…以下は私のコメント、ゴチックは私のお勧め本。
●は2007年度版(ver.9)への追加分(10冊)。
注意・警告:
文章・論文の書き方や調査法には「基本的ルール」があるが、読書法や研究法は研究者や分野によりかなり違うので、自分のフィーリングにあう本を選んで読み、「自分のスタイル」を身につけること。ただし、この種の本は各分野1~2冊読めば十分、沢山読み過ぎないこと。それよりも、自己の研究テーマ関連の優れた本・論文を精読し、論文の書き方や研究方法を「盗む」のが一石二鳥。
0.超必読書
- 妹尾堅一郎『研究計画書の考え方-大学院を目指す人のために』ダイヤモンド社,1999.
…本書は単なる大学院受験参考書ではない!入学後も「修論計画書」を推敲するための指針書。
「入試前より『入院』後に読まれ…数校の先生も『入院後の治療』向けで推薦した」(著者より)
1.文章・論文の書き方(47冊)
<文章の書き方の入門書・基本図書(学部レベル。文章の書き方に自信のない院生も読むこと)>
- 立濃和男『文章のみがき方』岩波新書,2007.●
…「いい文章」を書くための38の心がけを、多くの名言を紹介しながら簡潔に解説。「Ⅲ.推敲する」は研究論文を書く上でも有効。 - 樋口裕一『できる人の書き方-嫌われる人の悪文』ビジネス社,2005.
…ビジネスマンに、文章を書く心構えとコツを伝授。最長60文字の目安、「語彙」ではなく「論理」、人の文章を添削等。 - 樋口裕一『ホンモノの文章力-自分を売り込む技術』集英社新書,2000.
…文章とは自己演出だ。自己推薦書の書き方(第3章)は、就職活動時必読。 - 高橋昭男『大切なことは60字で書ける』新潮新書,2005.
…情報やメッセージを短い文で分かりやすく書くための技術を伝授。第12講の「正確な言葉より適切な言葉」は秀逸。例文が豊富。 - 清水義範『大人のための文章教室』講談社現代新書,2004.
…一般の大人のために文章をうまく書くためのコツや裏技を指南。第7講近寄ってはいけない文章(学者の論文が筆頭!)は痛い! - 藤沢晃治『「分かりやすい文章」の技術-読み手を説得する18のテクニック』講談社ブルーバックス,2004.
…分かりにくい文とその改善法の実例が豊富。要点を先に書くことが最重要。 - 山田ズーニー『伝わる・揺さぶる!文章を書く』PHP新書,2001.…
小論文指導のプロが、「書くことは考えること」の視点から考えるための方法を提案。 - 宮部修『文章をダメにする3つの条件』丸善ライブラリー,2000.
…ダメな文章とは、(1)事実や印象の羅列、(2)理屈攻め、(3)一般論。豊富な実例を用いて、文章の基本の基本を丁寧に説明。
<文章の書き方の中・上級書(学部高学年~大学院レベル)>
- 本多勝一『わかりやすい日本語の作文技術[大活字版]』オークラ出版,2003.
…定評ある超厳密な指南書=『日本語の作文技術』(朝日文庫,1982)の改訂版。句読点の打ち方の章は秀逸。 - 林望『文章の千本ノック-どうすれば品格のある日本語が書けるか』小学館,2002.
…品格のある「エッセイ」(論理的な文章)を書くための「特別授業」。実際の添削事例と概評つき。 - 古郡廷治『文章添削トレーニング-8つの原則』ちくま新書,1999.
…文章の書き方の原則を丁寧に解説。ポイントは短い文を書く(1文は80~100字を超えない)。例文が豊富。 - 宇佐見寛『作文の論理-「わかる文章」の仕組み』東信堂,1998.
…看護界の重鎮(南裕子日本看護協会会長等)の「悪文」を徹底的に批判・添削。看護系院生必読。ただし、超シツコイ。 - 高橋昭男『仕事文の書き方』岩波新書,1997.…事実と意見のみを伝える「仕事文」を書くノウハウ。
- 清水幾太郎『論文の書き方』岩波新書,1959.…この分野の超古典。「が」を使うなは、今でも新鮮。
<論文の書き方の基本図書(学部レベル。論文の書き方に自信のない院生は1冊以上必読)>
- 安藤喜久雄編『わかりやすい論文レポートの書き方[2版]』実業之日本社,2002.
…長年の大学生指導の経験をまとめた、痒いところに手の届く卒論・ゼミ論の書き方。 - 樋口裕一『やさしい文章術-レポート・論文の書き方』中公新書ラクレ,2002.
…よい意味で「マニュアル」に徹している。鍵は、「小論文の延長線上で書く」。 - 古郡廷治『論文・レポートのまとめ方』ちくま新書,1997.
…論文の書き方を基本から徹底指導。 - 古郡廷治『論文・レポートの文章作法』有斐閣新書,1992.
…教科書的本。東大『知の技法』推薦。 - 久田則夫『ノリさんの楽々レポート作成術-福祉系学生・職員のための論文レポート作成マニュアル』大揚社,1995.
…論理的思考力と問題探求法を身につけるために書かれた総合マニュアル。 - 鷲田小弥太・廣瀬誠『論文・レポートはどう書くか』日本実業出版社,1994.
- 木下是雄『レポートの組み立て方』ちくま学芸文庫,1994(筑摩書房,1990).
…『理科系の作文技術』 (後述)の文科系版。レポートに書くべきは、事実とその根拠を示した意見だけ等、明快・簡潔なレポートのコツを説く。 - 澤田昭夫『論文のレトリック』講談社学術文庫,1983.
…かつての定番本。 - 澤田昭夫『論文の書き方』講談社学術文庫,1977.
…同上。
<論文の書き方の中・上級書(学部高学年~大学院レベル)>
- 石原千秋『大学生の論文執筆法』ちくま新著,2006.●
…大学生ではなく、院生・若手研究者向け。第一部「秘伝 人生論的論文執筆法」はユニーク&真っ当。有力研究者等のアイマイ表現を実名で批判。 - 坂井聡樹『これから論文を書く若者のために[大改訂増補版]』共立出版,2006.●
…(理系)学術論文の各章で書くべきことを具体例を示しながら説明。学術雑誌に投稿後の各段階での対処法を詳述。 - 斉藤孝・西岡達裕『学術論文の技法 新訂版』日本エディタースクール,2005.
…定評ある手引書(1977,1988,1998)の最新版。論文の注の書き方が詳しい(第5章)。 - アメリカ心理学会(APA)、江藤裕之・他訳『APA論文作成マニュアル』医学書院,2004.
…学術 論文の書き方の事実上の国際標準。超上級書だが、英語の学術論文を書く院生や教員は必読。 - 江下雅之『レポートの作り方-情報収集からプレゼンテーションまで』中公新書,2003.
…調査研究レポートを書くために「必要な基礎テクニック」を教科書的に広く浅く網羅。
小笠原喜康『インターネット完全活用編大学生のためのレポート・論文術』講談社現代新書,2003.
…「インターネットだけを使ってレポートや論文をどこまで書けるかに挑戦」。通信課程院生必読。 - 小笠原喜康『大学生のためのレポート・論文術』講談社現代新書,2002.
…単なる入門書ではなく、卒論&修論作成のための「基礎の基礎」をていねいに説明。特に、文献の引用・検索方法が充実。 - 鹿島茂『勝つための論文の書き方』文春新書,2003.
…ハウツー本的書名だが、内容は高度。文献研究予定者は必読。「良い」だけでなく「面白い」論文を書くための「問題の立て方」等を講義。 - 桜井雅夫『レポート・論文の書き方上級(改訂版)』慶応義塾大学出版会,2003.
…文献の引用方法の紹介は「他に類を見ない」ほど詳細、実例も豊富。 - 戸田山和久『論文の教室-レポートから卒論まで』NHKブックス,2002.
…卒論・修論を書くための35の「鉄則」を、読みやすく物語風に示す。アウトラインの作り方と論証の仕方が詳しい。 - 野口悠紀夫『「超」文章法-伝えたいことをどう書くか』中公新書,2002.
…「論述文の成功はメッセージが」 『ためになり、面白い』かどうかで決まる」。良い意味で即物的で修論のチェックリストにもなる。 - 伊丹敬之『創造的論文の書き方』有斐閣,2001.
…プロの論文を書くための研究のプロセスと心構え。テーマの決め方と仮説の育て方、付録が特に秀逸。上級書で、教員にも有用。 - 山内史朗『ぎりぎり合格への論文マニュアル』平凡社新書,2001.
…内容は高度&偏執的。 - 西山昭彦『知的仕事人のための論文の書き方』東洋経済,1999.
- …社会人大学院での研究論文の書き方のノウハウを、実体験に基づいて紹介。
- 鷲田小弥太『入門・論文の書き方』PHP新書,1999.
…研究論文(修論)の書き方入門。 - 小河原誠『読み書きの技法』ちくま新書,1996.
…著者は哲学者で、難解な論文を書く人向き。 - ウンベルト・エコ『論文作法-調査・研究・執筆の技術と手順』而立書房,1991.
…同上。 - 木下是雄『理科系の作文技術』中公新書,1981.
…文章の組み立て方、パラグラフの意味、はっきり言いきる姿勢、事実と意見の区別等、実証研究論文の最良の指導書。文科系の実証研究予定者も必読。
<日本語の特性を理解しセンスを磨くための教養書>
- 金谷武洋『日本語に主語はいらない-百年の謬論を正す』講談社選書メチエ,2002
.…「英語・仏語と日本語の(文法の)根本的な違い」を詳述。専門書に近い。 - 斎藤美奈子『文章読本さん江』筑摩書房,2002.
…文章読本の構図と歴史、代表作の批判。 - 高島俊男『漢字と日本人』文春新書,2001.
…日本語の特性・宿命に敏感になる。 - 林望『日本語の磨き方』PHP新書,2000.
…「ことばについての矜持と客観的意識」を持とう。 - 大野晋『日本語練習帳』岩波新書,1999.
…日本語のセンスを磨くために。 - 三上章『象は鼻が長い』くろしお出版,1960.
…元祖「日本語に主語はない」。ハとガは違うは新鮮。
2.読書法(関連)(14冊)
- 樋口裕一『差がつく読書』角川Oneテーマ21,2007.●
…第1部実読の方法は院生必読。「発信」のための効率よい「多読と精読の併用」技法を初歩から解説。特に5種類の多読テクニックは有用。 - 本田直之『レバレッジ・リーディング』東洋経済,2006.
…著者がアメリカのビジネ・ススクールで身につけた効率的・戦略的多読法を伝授。修士論文を書くためにも多読法は不可欠。 - 池上彰『池上彰の新聞勉強術』ダイヤモンド社,2006.
…NHK「週刊 子供ニューズ」の元名キャスターが書いた「メディア・リテラシー」を身につけるための本。日本経済新聞の問題点も指摘。 - 北村肇『新聞記事が「わかる」技術』講談社現代新書,2003.
…硬派記者による、新聞をていねいに読んで「情報の達人」になる方法。直感を養うには「情報の蓄積」が必要。 - 小谷野敦『バカのための読書術』ちくま新書,2001.
…「旧教養主義」の本、正論&劇薬。 - 井上ひさし『本の運命』文春文庫,2000.
…井上流本の読み方10箇条(第3章)は必読。 - 丸谷才一『思考のレッスン』文芸春秋,1999.
…柔軟な思考・読書・文章術のヒント満載。 - 中谷彰宏『大人のスピード勉強法-時間がない人の66の具体例』ダイヤモンド社,1999.
- 斉藤英治『カンタンスラスラべんり速読術』日本実業出版社,1998.
- 日下公人『「逆」読書法-読まなくていい本を、読まずにすます方法』ごま書房, 1997.
…上記3冊はビジネスマン向き実用書だが、効率的な読書・勉強のテクニックが豊富。 - M・J・アドラー、C・V・ドーレン『本を読む本』講談社学術文庫,1997.
…もっとも体系的な読書の技法書。読書には4レベルあり、中心は「分析読書」。文献研究予定者は必読。 - 立花隆『ぼくはこんな本を読んできた』文芸春秋,1995.
…「実践に役立つ14カ条」(73~75頁)。 - 呉智英『読書家の新技術』朝日文庫,1987.
…第二部技術篇、特に「書評読みのテクニック」は有用。 - 内田義彦『読書と社会科学』岩波新書,1985.
…「自前の概念装置」を獲得するための、社会科学の古典の精読の「心得」。「確信にあぐらをかくな」。歴史・理論研究予定者は必読。
3.勉強法・研究方法論(論理的思考法、情報収集・整理の技法、知的生産の技術等)(43冊)
- 石原武政『「論理的」思考のすすめ-感覚に導かれる論理』有斐閣,2007.●
…理論・論理との付き合い方についての著者の試行錯誤を正直に語る。鍵は「感覚の論理化」。博士課程院生向き。 - 中西輝政『本質を見抜く「考え方」』サンマーク出版,2007.●
…「自分の頭で考え」、「ものごとの本質を見抜くための考え方」のヒントを、著者自身の経験や実例を示しながら分かりやすく示す。 - 鎌田浩毅『ラクして成果が上がる理系的仕事術』PHP新書,2006.●
…理系=「アウトプット優先主義」&「主知主義」の立場から、著者と先人の開発した知的生産の技術の理念と技法を紹介。 - 二木立『医療経済・政策学の視点と研究方法』勁草書房,2006.
…社会福祉学を含めて、広く社会科学を学ぶ人が、自分なりの研究視点と方法・技法を身につけるヒントを満載。 - 岩田正美・他編『社会福祉研究法-現実世界に迫る14のレッスン』有斐閣,2006.…社会福祉研究の
独自性の探究。第3部は7つの研究事例を著者本人が研究方法の角度から解説しており、有用。 - 日垣隆『知的ストレッチ入門-すいすい読める書けるアイデアが出る』大和書房,2006.
…21世紀版「知的生産の技術」への挑戦。3原則(インプットは必ずアウトプットを前提にする等)は重要。 - 内田和成『仮説思考-BCG流問題発見・解決の発想法』東洋経済,2006.
…「情報が少ない段階から、常に問題の全体像や結論を考える」仮説思考は、ビジネスだけでなく研究でも不可欠。 - 三輪裕範『四〇歳からの勉強法』ちくま新書,2005.
…時間に追われるビジネスマンに、(1)時間の作り方、(2)読書の仕方、(3)新聞・雑誌の読み方、(4)英語の勉強の仕方を伝授。社会人院生向き。 - 千野信浩『図書館を使い倒す!-ネットではできない資料探しの「技」と「コツ」』新潮新書,2005.
…経済誌記者として身につけたノウハウと鉄則を開陳。「お薦め図書館ガイド」も充実。 - 井上真琴『図書館に訊け!』ちくま新書,2004.
…カリスマ図書館員が働きながら覚えた、学術研究のための図書館利用テクニックを伝授。キーワードは3つの「訊く」。 - 和田春樹『<疑う力>の習慣術』PHP新書,2004.
…問題発見能力=疑う力。自分の価値判断基準も疑ってみる。ただし、「疑いすぎる」と泥沼に入る。「非常識」ではなく「脱常識」。 - 和田秀樹『大人のためのスキマ時間勉強法』PHP,2003.
…10の基本原則は忙しい社会人院生向き。 - 宮内泰介『自分で調べる技術-市民のための調査入門』岩波アクティブ新書,2004.
…行動派学者の情報収集・整理のノウハウ。フィールドワークと文献・資料調査を往復し、概念を作り出す。 - 松浦英輔『「挫折しない整理」の極意』新潮社新書,2004.
…主としてモノの整理法の入門書。整理法の2原則(見えることと動かしやすいこと)は妥当。 - 妹尾堅一郎『知的情報の読み方』水曜社,2004.
…下記『考える力をつける…』のポピュラー版。 - 妹尾堅一郎『考える力をつけるための「読む」技術-情報の解読と解釈』ダイヤモンド社,2002.
… 『研究計画書の考え方』の姉妹書。様々な媒体を用いて「情報の解読と解決」能力を身につける。 - 池上彰『池上彰の情報力』ダイヤモンド社,2004.
…NHKキャスターの体験的情報収集・処理術。 - 日垣隆『情報の「目利き」になる!-メディア・リテラシーを高めるQ&A』ちくま新書,2002.
…高名なジャーナストのノウハウや体験を開陳。日垣氏のファン向き。「仮説力」にこだわる。 - 東郷雄二『独学の技術』ちくま新書,2002.
…現代版『知的生産の技術』的、広く浅い。 - 東郷雄二『文科系必修研究生活術』夏目書房,2000
…正統的&実用的。研究テーマの選び方(第3章)と先行研究の批判検討(第7章)は秀逸。特に博士後期課程進学志望の院生は必読。昼間部院生向き。 - 岡本浩一『上達の法則-効率のよい努力を科学する』PHP新書,2002.
…(認知)心理学をベースにした「中級者から上級者になる」方法論と「特訓法」。 - 苅谷剛彦『知的複眼思考法』講談社+α文庫,2002(講談社,1996).
…東大での教育に基づく、一歩進んだ思考法。「批判的読書のコツ20のポイント」(第1章)、問いの立て方(第3章)は特に有用。 - 斎藤孝『「できる人」はどこがちがうのか』ちくま新書,2001
…特定の領域の上達法ではなく、領域と 領域の間を「またぎ越す」上達の普遍的論理=まねる力、段取り力、コメント力の3つの力。 - 東谷暁『困ったときの情報整理』文春新書,2001.
…気骨ある経済ジャーナリストの体験的・実践的知 的生産の技術。第5章は優れた取材学。 - 福田和也『ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法』PHP研究所,2001.
…多作で有名な著者のモーレツな知的生産術。ポイントは「自分なりのスタイル」。 - 橋本治『「わからない」という方法』集英社新書,2001.
…「わからないからやってみる」。 - 野口悠紀雄『「超」発想法』講談社,2000.
…発想の5原則は重要。KJ法を批判。 - 野口悠紀夫『「超」勉強法実践編』講談社,1997.
- 野口悠紀夫『「超」勉強法』講談社,1995.
…第1章の基本3原則(面白いことを勉強する、全体から理解する、基礎を8割理解したら応用に進む)は妥当だが、第2章以下の各論は大秀才向き。 - 野口悠紀雄『「超」整理法3-とりあえず捨てる技術』中公新書,1999.
…副題の通り。 - 野口悠紀雄『続「超」整理法・時間編-タイムマネジメントの新技法』中公新書,1995.
…同上。 - 野口悠紀雄『「超」整理法-情報検索と発想の新システム』中公新書,1993.
…時間軸を用いた整理法は新鮮・有用。ただし、「適用限界」がある。 - 松岡正剛『知の編集工学』朝日文庫,2001.
…編集という窓からみた情報論~文化論。 - バーバラ・ミント『新版考える技術・書く技術-問題解決能力を伸ばすピラミッド原則』ダイヤモンド社,1999.
…ビジネスマン対象の論理的な思考・文章構成法。上級書。 - 辰巳渚『捨てる!技術』宝島新書,2000.
…「暮らしの技術」だが、知的生産にもある程度応用可。立花隆氏による激しい批判も参照のこと(『文藝春秋』2000年12月号)。 - 西村晃『超図解奇跡の時間管理術』かんき出版,1998.
…ビジネスマン向け「15分革命」。 - 小川明『観察力をつける』日本経済新聞社,1997.
- 立花隆『「知」のソフトウェア-情報のインプット&アウトプット』講談社現代新書,1984.
…準古典。 - 高根正昭『創造の方法学』講談社現代新書,1979.
…著者自身の米国での「普遍主義」的社会学研究体験に基づいて、具体的証拠に基づいて「理論と経験とをつなぐ」方法論を提唱。 - 梅棹忠夫『知的生産の技術』岩波新書,1969.
…この分野の「超」古典、今でも新鮮。 - 川喜田二郎『発想法-創造性開発のために』中公新書,1967.
…著者の案出したKJ法の原著。 - 徳田和嘉子『東大生が教える!超暗記術-基本から暗記のコツまで』ダイヤモンド社,2006.
…「暗記はすべての学問のもと」。楽しく効率的で、しかも正統的な暗記の方法を公開。 - 南博『記憶術-心理学が発見した20のルール』カッパブックス,1961.
…40年以上重版の古典。特殊テクニックではなく、ルール1「記憶できるのだという自信をもつこと」等、基本に忠実。
4.プリゼンテーション・学会発表&ディベイトの技法、会議司会の技術(15冊)
<プリゼンテーション・学会発表の技法>
- R・R・H・アンホルト、鈴木炎・他訳『理系のための口頭発表術』講談社ペーパーバックス,2008.●
…「論理と思考に重点」を置いた口頭発表の手引き書。特に、パワーポイント使用者は必読。 - 吉田たかよし『話は最初の一言で決めなさい-長い話じゃ人は聞かない』中経出版,2004.
…スピーチのプロ(元アナウンサー)の技術を分かりやすく伝える。一言で伝える「要約力」。 - 梶原しげる『口のきき方』新潮新書,2003.
…社会人大学院に入学しカウンセラーにもなったアナウンサーの体験的「口のきき方」。核心は「よく聴く」技術&日本語の語感に鋭くなる。 - 高井伸夫『3分以内に話はまとめなさい-できる人と思われるために』かんき出版,2003.
…簡潔で分かりやすい話し方の心構えとテクニック。批判する時の鍵は「建設的」。学会の発表・質疑にも有用。 - 土井哲・他『プロフェッショナル・プリゼンテーション』東洋経済,2003.
…ビジュアルなプリゼンテーション資料の作り方と発表の仕方のポイントを網羅。 - 藤沢晃治『「分かりやすい説明」の技術』講談社ブルーバックス,2002.
…ビジネスマン向けの実用書だが、学会発表の技術(基礎編)としても有用。 - 諏訪邦夫『発表の技法-計画の立て方からパソコン利用まで』講談社ブルーバックス,1996.
…第2章発表のハードウェア(日本語スライドは横15字縦8行以内等)は、パワーポイント使用者必読。 - リチャード・ワーマン『理解の秘密-マジカル・インストラクション』NTT出版,1993.
…ビジネスマン対象のコミュニケーション技法書。共同研究する者は必読(とのこと)。
<ディベイトの技法、会議司会の技術>
- 福澤一吉『議論のレッスン』NHK出版(生活人新書),2002.
…10年間のゼミ指導に基づく、口頭&読み書きレベルでの「議論のルール」。根拠・論拠を示し、許される範囲の「飛躍」をする。 - 谷沢永一『論争必勝法』PHP研究所,2002.
…本文はオタク的自慢話だが、巻末の「論争に必ず勝つ方法18章」は有用。特に、最後の「[坂本]竜馬は議論しない」(司馬遼太郎)は秀逸。 - 松本茂『頭を鍛えるディベート入門』講談社ブルーバックス,1996.
…正統的かつ丁寧なディベート入門書。第3章論理的な話し方とはは、学会発表の準備にも有用。 - 香西秀信『反論の技術-その意義と訓練方法』明治図書,1995.
…意見を述べるとは反論すること。 - ゲーリー・スペンス『議論に絶対負けない方法』三笠書房,1996.
- 北岡俊明『ディベート能力の時代』産能大学出版部,1991.
…第2章日本人に共通する話し方と議論の欠点と第3章議論と論争に強くなる方法は有用。 - 内田政志『[入門]会議の技術』大和出版,1996.…私はこれで学内諸会議の司会の技術を学んだ。
5.研究・研究者の心構え(22冊)
- 酒井邦嘉『科学者という仕事-独創性はどのように生まれるか』中公新書,2006.
…「科学とは疑うこと」、「一に模倣、二に創造」、「論文こそすべて」等は、文系研究者にも必要な心構え。 - 渡邊美樹『夢に日付を!-夢実現の手帳術』あさ出版,2005.
…ワタミ社長が20代から実践している夢を実現するための生き方:「あらかじめ時間を設定するからこそ実現できる」。 - 入江昭『歴史を学ぶということ』講談社現代新書,2005
…歴史を学ぶことには2つの意味がある:過去の事実の記録と解明された事実の意味づけ。歴史はすべての研究者・院生が学ぶ必要がある。 - 船曳建夫『大学のエスノグラフィティ』有斐閣,2005.
…東京大学の文科系教員の発想・生態とゼミ風景をサラリと描く。「遊び、それは学問そのもの」、「生産力とは集中力プラス持続力」。 - 林周二『研究者という職業』東京図書,2004.
…自称「二流人間」が、実践的研究を行うための知恵と工夫を丁寧かつ正直に語る。「自己能力の客観評価」を行い、「他人のやらない盲点をねらえ」。 - 中西準子『環境リスク学-不安の海の羅針盤』日本評論社,2004.
…「事実派」の著者が「ファクトを超える」リスク学を確立するまでの自分史(Ⅰ部)。QOL研究の予定者はⅡ部必読。 - 日本科学者会議編『Guidebook 研究の方法』リベルタ出版,2004.
…研究の方法を「研究することの意義や意味にまで立ち返って議論」した、大学院生のためのガイドブック。 - 小森陽一監修『研究する意味』東京図書,2003.
…現実に批判的に介入し知の最前線で闘う研究とは?鍵言葉は好奇心・批判的スタンス・構想力・基礎的勉強。博士後期課程進学希望の院生必読。 - 宇野賀津子・板東昌子『理系の女性の生き方ガイド-女性研究者に学ぶ自己実現法』講談社ブルーバックス,2000.
…文科系の女性院生も必読。第1~3章以外は男性院生にも有用。 - 坪田一男『理系のための研究生活ガイド-テーマの選び方から留学の手続きまで』講談社ブルーバックス,1997.
…明るく楽しい研究生活のノウハウ。読むとやる気がおこり、文科系院生にも有益。 - 高木仁三郎『市民科学者として生きる』岩波新書,1999.
…東大教授への道を捨て、反原発運動に生きた市民科学者の感動的自伝。末期癌による「死の予感のもとで」、明るく、確信と希望を語る。 - 西山卯三・早川和男『学問に情けあり-学者の社会的責任を問う』大月書店,1996.
…権力と時流に迎合しない学者の生き方。 - 寺田寅彦「科学者とあたま」『寺田寅彦随筆集第4巻』岩波文庫,1948,202-207頁.
…科学者(研究者)論の超古典。科学者は「頭が悪いと同時に頭がよくなくてはならない」。
<将来大学教授をめざす院生へ>
- 鷲田小彌太『社会人から大学教授になる方法』PHP新書,2006.
…第1章で、実際に大学教授になった18の事例を紹介しつつ、「10の法則」を抽出。第2章以降は、大学教授・大学改革論に近い。 - 山本武信『大学教授になれる本の書き方』早稲田出版,2003.
…ハウツー本ではなく、「書くとは自分自身を生きること」と、単著を書く心構えを熱く語る。 - 川村雄介『サラリーマンのための大学教授入門』ダイヤモンド社,2003.
…第1章の大学教授に転身するまでの体験・努力と同じ道をめざす社会人へのアドバイスは有益。第2章以降は蛇足。 - 白石拓『サラリーマンから大学教授になる!方法』宝島新書,2003.
…「志」を持ってエリートサラリーマンから大学教員に転身した7人のインタビュー。大学とシンクタンクの違いもよく分かる。 - 萩原俊彦『実践編 働きながら大学教授になる方法』東洋経済,2002.
…社会人院生向き。 - 鷲田小弥太『新大学教授になる方法』ダイヤモンド社,2001.
…ベストセラーになった『大学教授になる方法』(後述)の全面改訂版。昼間部院生向き。 - 鷲田小弥太『大学教授になる方法-実践編』PHP文庫,1995(青弓社,1991).
…研究業績の作り方等具体的。 - 鷲田小弥太『大学教授になる方法』PHP文庫,1995(青弓社,1991).
…偏差値50前後なら努力すれば教授になれる。ただし、逆説・偽悪的表現が多い。 - 酒井和夫『博士になる方法教えます』リヨン社,1994.
…博士号取得のテクニックを満載。
6.社会調査の入門書・副読本(29冊)
<量的調査>(参考書・教科書は山ほどあるので、文科系院生向きの代表的教養書のみ示す)
警告:「嘘には3種類ある。ただの嘘と真っ赤な嘘と統計だ。」(『マークトウェイン自伝』)
- 上田尚一『統計グラフのウラ・オモテ-初歩から学ぶ、グラフの「読み書き」』講談社ブルーバックス,2005.
…良いグラフを書くための「統計的な考え方」を伝授。 - 森靖雄『新版やさしい調査のコツ』大月書店,2005.
…50年の経験に基づき、アンケート調査の技術とノウハウを丁寧に解説。「仮説主義」の呪縛も指摘。聞き取り調査と現地調査にも触れる。 - 赤川学『子どもが減って何が悪いか!』ちくま新書,2004.
…男女共同参画社会で少子化が防げるとの主張の統計的根拠を徹底批判し、実証研究の結果を安易に政策提言に結びつけることを戒め。 - 川村孝『エビデンスをつくる-陥りやすい臨床研究のピットフォール』医学書院,2003.
…エビデンスは「現場で、臨床家の努力によって産み出されるもの」。量的調査予定者必読。 - 中村好一『保健活動のための調査・研究ガイド』医学書院,2002.
…現場感覚で書かれた入門書。 - 谷岡一郎『「社会調査」のウソーリサーチ・リテラシーのすすめ』文春新書,2000.
…際物的タイトルだが、中身は正論。第1章「社会調査」はゴミがいっぱいを、修論への自戒とすること。 - ダレル・ハフ『統計で嘘をつく方法-数式を使わない統計学入門』講談社ブルーバックス,1968.…30年余も重版を続けている超ロングセラー。特に第10章統計のウソを見破る5つのカギは有用。
<質的調査(事例調査・フィールドワーク等)>
- 高橋都・他編『事例から学ぶはじめての質的研究法 医療・看護編』東京図書,2007●
…16人の執筆者による自論文の概要説明、執筆プロセスの紹介と初学者への助言。特に看護系院生には有用。 - 佐藤郁哉『フィールドワーク-書を持って街へ出よう』新曜社,[増補版]2006.
…質的調査と量的調査の「恥知らずの折衷主義」の優れた入門書。各技法の詳細は書いていない。 - 佐藤郁哉『フィールドワークの技法-問いを育てる、仮説を鍛える』新曜社,2002.
…フィールドワークの技法の詳細を実践的に紹介。「『仮の答え』としての仮説を練り上げる」ことを強調。 - アリソン・モートン=クーパー著、岡本玲子・他訳『ヘルスケアに活かすアクションリサーチ』医学書院,2005.
…この分野のわが国初の単行本。現場での「小規模介入」研究予定者は必読。 - 好井裕明『「あたりまえ」を疑う社会学-質的調査のセンス』光文社新書,2006.
…著者の経験と優れた著作の解釈を通して、「調査する精神」の真髄を語る。グラウンデッド・セオリーを批判。 - 河西宏祐『インタビュー調査への招待』世界思想社,2005.
…早大人間科学部で著者が行っているインタビュー調査教育のまとめ。全章、実際の調査に基づいて、ノウハウを伝授。 - 大泉溥『生活支援のレポートづくり-実践研究の方法としての実践記録』三学出版,2004.
…生活支援活動を記録することの意味を問い、実践のセンスを磨く事例の読み方・書き方を詳述。 - 小田豊二『「書く」ための「聞く」技術』サンマーク出版,2003.
…聞き書きの名手が開発した、体験的かつ体系的インタビューの技術。初級からプロのテクニックまで。 - 関満博『現場主義の知的生産法』ちくま新書,2002.
…「歩く経済学者」が「一生もの」として現場の人々とじっくりつきあい調査し、書籍にまとめるノウハウを開陳。現場の「両極端に注目」。 - 御厨貴『オーラル・ヒストリー-現代史のための口述記録』中公新書,2002.
…第4章「オーラル・ヒストリー・メソッド」(特に実施の留意点)はインタビュー調査にも有効。 - 香月洋一郎『記憶すること・記録すること-聞き書き論ノート』吉川弘文館,2002.
…民俗学者の体験的聞き書き・フィールドワーク論。 - 鈴木淳子『調査的面接の技法』ナカニシヤ出版,2002.
…体系的かつ実践的な入門書(教科書)。 - 根本博司・他編『初めて学ぶ人のための社会福祉調査法』中央法規,2001.
…社会援助活動関連の質的調査と量的調査の基礎を解説。第1部事例調査法は有用。 - 小池和男『聞きとりの作法』東洋経済新報社,2000.
…事例調査&アンケート調査予定者必読。聞きとりの前の「仮説の設定」の大切さ。まず聞き取り調査を行ってから、アンケート調査を併用。 - S・ヴォーン、他『グループインタビューの技法』慶応義塾大学出版会,1999.
…フォーカス・グループインタビューの概念と技法をていねいに解説。
<事例調査の参考になるルポルタージュ・ノンフィクション論>(いずれも読み物としても面白い)
- 永江朗『インタビュー術!』講談社現代新書,2002.
…体験的「読み物としてのインタビュー術」。 - 佐野眞一『私の体験的ノンフィクション術』集英社新書,2001.
…体験的事例調査法としても有用。 - 鎌田慧『ルポルタージュを書く』岩波書店,1992.
…現実を読み解くルポの着想、取材、執筆の方法。 - 本多勝一『ルポルタージュの方法』朝日文庫,1983.
…自作の執筆過程を紹介しながら、ルポの書き方を講義。鍵言葉は現場・人間関係・誠意。ルポライターの6条件(277頁)は研究者にも妥当。
<「質的研究」の概説書・教科書>
- キャロル・ガービッチ、上田礼子・他訳『保健医療職のための質的研究入門』医学書院,2003.
…質的データの収集、解釈、発表の方法論と技法について、主なものを公平かつ幅広く解説。 - ウヴェ・フリック、小田博志・他訳『質的研究入門-<人間の科学>のための方法論』春秋社,2002.
… 「入門書」ではなく、高度でバランスのとれた概説書。日本版独自の解説と文献案内も充実。 - キャサリン・ポープ他『質的研究実践ガイド-保健・医療サービス向上のために』医学書院,2001.
…「量的研究を補完」する質的研究のもっとも分かりやすい入門書。
7.英語力をつけるための本・雑誌(19冊)
警告:院生に必要なのは英会話力ではなく、英文読解力=速読&精読術!
<初学者向け>
- 和田秀樹『英語も要領-読める人、書ける人だけが上達する』幻冬舎,2003.
…読解力向上のコツ。 - 長谷川滋利『メジャーリーグで覚えた英語勉強法』幻冬社,2001.
…第8章長谷川式英語上達の10カ条は有用(ただし、英会話)。 - 向山淳子・他『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本』幻冬社,2001.
…「英語はとにかく、まず読むこと」を強調した明快な英文法書。初心者・中級者必読。ただし、「読むこと」≠和訳に注意(本学小泉教授より)。
<中・上級者向け>
- 行方昭夫『英文の読み方』岩波新書,2007.●
…「読む力が英語の基礎」という視点から、「英文に慣れるための多読に始まる5段階のステップを詳述。博士課程進学希望者は、第2ステップまで必読。 - 野口悠紀夫『「超」英語法』講談社,2004.
…研究者に必要な総合的英語力を身につける正統的勉強法。話すことではなく聞くこと、分野ごとの専門用語を知ることを強調し、具体的方法を伝授。 - スティーブ・モリヤマ『英語の会議にみるみる強くなる本』中経出版,2003.
…文化の違いを理解して「欧米人と話す技術」。英語で話す際のタブー(第4章。目を閉じて腕を組む等)は実用的。 - 岡本浩一『最強の英語上達法』PHP新書,2002.
…上掲『上達の法則』の英語版。上級者向け。 - 澤井繁男『英文読解完全マニュアル』ちくま新書,2002.
…中級者向けの受験英語を生かす勉強法。 - 長部三郎『伝わる英語表現法』岩波新書,2001.
…「英語の構造」と日本語との違いを明確に示す。高度の和文英訳能力をつけるために有用。 - 高橋祥友『英語力を身につける』講談社現代新書,2001.
…「本気で英語をものにしようと考えている人向け」。第1章と第3章(速読)は有用。 - 松本道弘『[改定新版]速読の英語』プレジデント社,1997.
…上級者向き。「英会話の前にリーディング」、「読視野を広げよう」は重要。 - 松本道弘『[改定新版」速聴の英語-聴けなければ話せない』プレジデント社,1997.…同上。
- 鍋倉健悦『英語メディアを使いこなす』講談社現代新書,1994.
- 石山輝夫『日本人に共通する英語のミス-ビジネス編』The Japan Times, 1991.
- M・ピーターセン『続日本人の英語』岩波新書,1990.
…日本人の犯しやすい誤りを具体的に指摘。 - M・ピーターセン『日本人の英語』岩波新書,1988.
…同上。
<息抜きの本>
- D.シールズ編『イチローUSA語録』集英社新書,2001.
…英文と翻訳の両方を掲載。 - 木村哲也・他『フリーズの本-映画で学ぶ生きた英語表現』スクリーンプレイ出版.1993.
- 脇山怜『和製英語から英語を学ぶ』新潮社,1985.
- 映画の原作小説または映画シナリオを小説化したペーパーバック。
<博士後期課程進学希望者向き-より進んだ「継続は力になる」雑誌>
- それぞれの分野の専門雑誌
…先輩または指導(予定)教員に相談のこと。 - Newsweek or Time
…英語総合週刊誌の双璧。ただし、「国際的」視点ではなく、アメリカの視点。 - The Economist
…伝統ある経済中心の総合誌。上記2誌よりバランスがとれているが、英語は難しい。
先行研究・調査の幅広い収集・検討のコツ(2008年度版='05年度版,ver 5)
二木 立
A.先行研究・調査の幅広い「収集」の3つのルートーこの順番で重要
- 0.大前提:
- (1)(複数の)新聞(朝刊&夕刊)を毎日きちんと読み、最新情報・調査を知る。
- (2)自分の研究テーマ関連の雑誌を定期購読または図書館で毎号チェックする。
- 1.研究テーマに関連した定番文献(本・論文)の引用文献・参考文献を徹底的に集める。
- -定番文献が分からない場合は、指導教員に相談のこと。
- ※ 注意:たまたま手元にある文献や自分が感激した文献が「定番」とは限らない。
文献の「孫引き」は絶対にしない。これはモラル&「安全保障」。
- 2.研究テーマに関連した雑誌のバックナンバー(現物)をチェックする。
- -主な雑誌には、各年の最終号等に「年間総目次」が掲載される。
- ※ 関連雑誌については、指導教員にも相談のこと。
図書・資料も、図書館の関連テーマのコーナーで直接現物をチェックすること。
- 3.各種(日本語)データベースを利用する((3)と(4)は本学図書館のパソコン端末から入る)
- (1)図書館蔵書(本・雑誌)のデータベース(ほとんどの場合、簡易検索のみで十分)。
- (2)図書館にない本の検索は、主要書店のホームページ(丸善、紀伊国屋等)-絶版本も相当掲載。
& Webcat Plus の「一致検索」(http://webcatplus.nii.ac.jp):本&各種報告書も相当掲載。 - (3)雑誌論文は、雑誌記事検索(MagazinePlus)と「医学中央雑誌」(ただし最新論文は未掲載)。
-医療・看護系は医学中央雑誌の方が充実&主要論文の要旨付き。ただし両方検索するのが安全。 - (4)新聞記事は、朝日新聞DNAと日経テレコン21(地方版記事も)等。
- (5)官庁等のホームページ(厚生労働省、内閣府等)-頻用するホームページは「お気に入り」に登録。
- (6)その他、Google、Yahoo!Japan等の一般的「検索エンジン」。
-Google等の情報には「ゴミ」&「漏れ」が多いので、これに最初に頼らないこと。 - ※検索のコツ:and=単語の間に空白、長い単語は”~”でくくる、
コントロールキー+F→画面中の単語検索。
B.先行研究・調査の「検討」の3つのコツ
- 0.コピーしたら、すぐその場で、論文1頁めの上にコピーした年月日と場所を書き込む。
- & 「ツン読」せず、コマメニ読む。
- 1.各文献の性格を見極める:実証研究(量的研究、事例研究等)~文献レビュー~概説・エッセー。
- -修論で本当に使えるのは、オリジナリティのある実証研究。
- ただし、概説・エッセーから、研究のヒントを得たり、有用な文献を知ることがある。
- 2.読んだら即、論文1頁めの上に自分なりの「評価」を書き込む。最低限、◎、○、△、×等のランク付け。
- 3.読みっ放しにせず、個々の文献ごとに自分なりの要旨~自家製データベースをつくる。
- -単に文献の要旨を書くのではなく、自分の修論に役立ちそうな点(データや視点)を書き込む
- →これが、修論の引用文献リストの基礎になる。