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『二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター(通巻157号)』(転載)

二木立

発行日2017年08月01日

出所を明示していただければ、御自由に引用・転送していただいて結構ですが、他の雑誌に発表済みの拙論全文を別の雑誌・新聞に転載することを希望される方は、事前に初出誌の編集部と私の許可を求めて下さい。無断引用・転載は固くお断りします。御笑読の上、率直な御感想・御質問・御意見、あるいは皆様がご存知の関連情報をお送りいただければ幸いです。


目次


お知らせ

両論文は「ニューズレター」158号(9月1日配信)に転載する予定ですが、早く読みたい方は掲載誌をお読み下さい。


1. 論文「骨太方針2017」・「未来投資戦略2017」の医療改革方針に新味はあるか?
(「深層を読む・真相を解く」(65)『日本医事新報』2017年7月1日号(4862号):20-21頁)

安倍晋三内閣は6月9日、「経済財政運営と改革の基本方針2017」(以下、「骨太方針2017」)、「未来投資戦略2017」等を閣議決定しました。翌日の全国紙は、安倍内閣支持が鮮明な「読売」を除いては、「乏しい新味」(「朝日」)、「小粒な成長戦略」(「毎日」)、「社会保障・財政『落第』」(「日経」)と、軒並みきわめて厳しい評価をしました。自民党幹部からも、「骨太が『骨太』でなくなってきた。小骨になってきたなぁ」との皮肉が出されているそうです(『週刊社会保障』6月12日号:58頁)。

私自身も、これら文書の全体と医療・介護・社会保障改革方針を読んで同じ感想を持ちました。ただし、本稿では、敢えて、「骨太方針2017」と「未来投資戦略2017」の新しさを探します。ただし、紙数の制約のため、介護制度改革には触れられません。

消費税引き上げ方針が消失

私は「骨太方針2017」全体での最大の「新しさ」は、「骨太方針2016」には明記されていた消費税を2019年10月から引き上げる方針が消失していることだと思います。閣議後の会見で菅義偉官房長官は、予定通り実施する方針に変わりはないと話したものの、私はこれにより、消費税引き上げが三度延期され、それを主財源とする「社会保障の機能強化」がさらに遠のく危険が強まったと思います。

個別の改革方針の最大の新しさは、「幼児教育・保育の早期無償化」であり、そのために「財政の効率化、税、新たな社会保険方式の活用を含め、安定的な財源確保の進め方を検討し、年内に結論を得」るとされています(9頁)。「新たな社会保険方式」とは小泉進次郎議員等が提唱した「こども保険」を意味します。私はそれの導入が、消費税率引き上げ延期の口実とされる可能性もあると思います。

「薬価制度の抜本改革」を掲げるが…

第3章3「主要分野ごとの改革の取組」では、例年と同じく「社会保障」が第1に取り上げられ、①「基本的な考え方」、②「地域医療構想の実現、医療計画・介護保険事業計画の整合的な策定等」等、9項目の柱立てで書かれています。

「骨太方針2016」との大きな違いは、⑦「薬価制度の抜本改革、患者本位の医薬分業の実現に向けた調剤報酬の見直し、薬剤の適正使用等」が独立した柱となり、その記述が2頁もあることです(昨年は8行のみ)。このことは、2018年度の診療報酬改定の焦点が、2016年度改定と同じく、薬価・調剤報酬改革=引き下げにあることを示しています。

ただし、その中身は、昨年12月に決定された「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」(4大臣合意)とほぼ同じです(本連載(64)参照)。この「基本方針」では、「新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度をゼロベースで抜本的に見直す」とされており、この表現は⑦の冒頭にも書かれていますが、次の段落では同「制度について、革新性のある医薬品に対象を絞る等により革新的新薬創出を促進しつつ国民負担を軽減する」との微温的改革にとどめられ(35頁)、財政制度等審議会「建議」(本年5月25日)が求めた同制度の「廃止」は退けられています。

⑦でもう一つ注目すべきことは、6月2日に発表された「素案」に書かれていた参照価格制度導入を示唆する以下の記述が、自民党厚生労働部会等で厳しく批判され、全文削除されたことかもしれません。「先発医薬品価格のうち、後発医薬品価格を超える部分について、保険財政の持続可能性や適切な給付と負担の観点を踏まえ、原則自己負担とすることや後発医薬品価格まで価格を引き下げることを含め検討し、本年末までに結論を得る」。

ただし、参照薬価については5月17日の社会保障審議会医療保険部会でも批判が続出しており、この削除は政府にとって「想定内」だったと思います。

「介護施設、在宅医療等」に用語変更

順序が逆になりましたが、社会保障の②「地域医療構想の実現、医療計画・介護保険事業計画の整合的な策定等」に書かれている諸施策にも新味はほとんどなく、しかも「議論の進め方を速やかに検討する」等、「検討する」を含む表現が7回も使われるなど、具体性に欠けます。「骨太方針2015」と「骨太方針2016」では、医療を含む社会保障改革の項で、「公的サービスの産業化」が強調されていましたが、「骨太2017」ではその表現は消えています。ただし、これが方針の変更なのか、単なる記載漏れなのかは現時点では判断できません。

ここで、地域医療構想に関する記述で、従来の「在宅医療等」に代えて、「介護施設、在宅医療等」が用いられていることに触れます(31,33頁)。厚生労働省は従来、「在宅医療等」には「介護施設や高齢者住宅」が含まれると説明してきましたが、この説明では国民・患者の理解が得られないために、塩崎恭久大臣の判断で4月12日の経済財政諮問会議での大臣説明資料(「資料4」4頁)から、「介護施設、在宅医療等」という表現を用いるようになったそうです。私はこの用語変更は遅きに失したとは言え妥当だと思いますが、厚生労働省はこのことを広報していないため、ここで紹介しておきます。

遠隔診療が18年度診療報酬改定の目玉?

私は6月9日の一連の閣議決定の医療改革方針でもっとも注目すべきことは「遠隔診療」が高く評価されたことだと思います。「骨太方針2017」では社会保障②の最後に、「複数医師によるグループ診療や遠隔診療支援等のへき地等に勤務する医師の柔軟な働き方を支援する」と限定的、抽象的に書かれているだけですが、「未来投資戦略2017」では次のようにきわめて具体的に書かれています。「遠隔診療について、例えばオンライン診察を組み合わせた糖尿病などの生活習慣病患者への効果的な指導・管理など、対面診療と遠隔診療を適切に組み合わせることにより効果的・効率的な医療の提供に資するものについては、次期診療報酬改定で評価を行う」(8頁)。

遠隔診療については「骨太方針2015」に「医療資源を効果的・効率的に活用するための遠隔医療の推進」(12頁)と書き込まれ、厚生労働省はこれを受けて同年8月、医政局長通知「情報通信機器を用いた診療(いわゆる「遠隔診療」)について」を出しましたが、診療報酬での手当はしませんでした。

それに対して、今回は、塩崎厚生労働大臣も診療報酬での遠隔診療の評価を明言しており、2018年が日本における「遠隔診療元年」になる可能性があります。ただし、遠隔診療の医療費抑制効果は国際的にも実証されておらず、しかも「未来投資戦略2017」では「効果的・効率的な医療の提供に資するもの」とのシバリが付けられているため、診療報酬における評価はごく限定的にとどまると思います。

なお、来年度の予算編成方針に向けた考え方を示す「骨太方針2017」と異なり、「未来投資戦略2017」にはそのような制約はないため、今後の「Society 5.0」(①狩猟社会、②農耕社会、③工業社会、④情報社会に続く、人類史上5番目の新しい社会)に向けた「健康・医療・介護」改革が多面的に描かれています(39-47頁)。これが「具体的施策」なのか、単なる夢物語なのかについては、判断を差し控えます。

 

医療界の一部では、2018年は様々な改革が一度に行われる「惑星直列」の年であり、大改革必至と喧伝されています。しかし、「骨太方針2017」等を読む限り、それは杞憂に終わると思います。

ただし、そのことは単純な現状維持を意味しません。医療制度改革についても、本稿では述べられなかった介護制度改革についても、医療介護総合確保推進法(2014年)や本年5月に成立した介護保険法等改正により改革のレールは敷かれており、医療関係者・医療機関はその方向性を正確に理解し、速やかに対応する必要があると思います。

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2.論文:「地域包括ケア研究会2016年度報告書」をどう読むか?
(「二木教授の医療時評」(149)『文化連情報』2017年8月号(473号):10-14頁)

地域包括ケア研究会(座長:田中滋慶應義塾大学大学院名誉教授)は、本年5月、「地域包括ケア研究会報告書~2040年に向けた挑戦」を公表しました(以下、「本報告書」。報告書の表紙には「2017年3月」と書かれていますが、実際に公表されたのは5月下旬)。これは、厚生労働省老人保健健康増進等事業の一環として2008年に設立された地域包括ケア研究会の6回目の報告書です。

地域包括ケア研究会は厚生労働省の正規の委員会・検討会でも、老健局長の私的懇談会でもありませんが、毎回の研究会には老健局の担当者も参加しており、今までに発表された一連の報告書は地域包括ケアシステムの理念・概念整理と政策形成の「進化」に重要な役割を果たしてきました。

本報告書の本体は、以下の6部構成、38頁です。「1.地域共生社会の実現」、「2.2040年に向けた地域包括ケアシステム」、「3.『尊厳』と『自立支援』を守る『予防』」、「4.中重度者を地域で支える仕組み」、「5.2040年に向けた事業者の姿」、「6.地域マネジメント」。これに「参考」と「資料」を加えると201頁になります。

本報告書の本体は章立て・内容とも、1年前に発表された第5回報告書(以下、「前回報告書」)の「続編」と言えます。そこで本稿では、本報告書のポイント・新しさを前回報告書と比べながら検討します。ちなみに、私が選んだ本報告書のキーワードは、「2040年」、「団塊の世代」、「もうひとつの予防」、「中重度者」、「多職種連携」、「サービスの一体的提供」、「地域マネジメント」の7つです。なお、前回報告書については、拙著『地域包括ケアと福祉改革』(勁草書房,2017)第1章第2節で詳しく分析したので、お読み下さい。

介護保険法等改正と異なるスタンス

本報告書の個別の記述を検討する前に、本報告書の地域包括ケアについてのスタンスが、以下の2つの点で、本年5月末に成立した介護保険法等改正とは異なることを指摘します。

第1は、本報告書が「はじめに」で、前回報告書に続き、地域包括ケアの「対象範囲を介護保険行政に限定せず、地域を支える多様な関係者の参加や連携を推進するものとして位置づけ」ていることです(1頁)。35頁では、よりストレートに「地域包括ケアシステムは、本来的に高齢者や介護保険に限定されたものではなく、障害者福祉、子育て、健康増進、生涯教育、公共交通、都市計画、住宅政策など行政が関わる広範囲なテーマを含む『地域づくり』である」と書いています。この点は、介護保険法等改正では、「地域包括ケアシステムそのものが高齢者向けのことであるということは変わらない」とされているのと対照的です(塩崎恭久厚生労働大臣の4月5日衆議院厚生労働委員会での答弁)【注】

第2は、介護保険制度の基本的理念について、「高齢者介護・自立支援システム研究会報告書」(1994年)と「2015年の高齢者介護」(2003年)にまで遡って検討した上で、「尊厳」と「自立支援」を同格に扱っていることです(13頁)。このことは、介護保険法第1条の規定に基づけば当然ですが、厚生労働省の介護保険法等改正の説明では「自立支援」のみが強調されていることを考えると、見識があります。しかも、「自立支援は心身機能の改善ではなく、高齢者の尊厳の保持のためにある」ことを強調し、「自立を狭く理解し、『自分でなんでもできる状態』のようにとらえれば、支援プログラムは、本人の意思に基づいたものではなく、単なる強制的なトレーニングのような介入になってしまうだろう」と警告しています(14頁)。これは、介護保険法等改正で強調されている(高齢者の尊厳抜きの)「自立支援・重度化防止に向けた取組」(介護保険からの「卒業」の自己目的化等)に対する批判とも読めます。今後、医療・福祉関係者や自治体の担当者は地域包括ケア研究会のこの2つのスタンスに沿って、各地域で地域包括ケアの構築を進めることが期待されます。

なお、介護保険法等改正には地域包括ケアシステムと地域共生社会との関係についての規定はありませんが、本報告書では、地域共生社会は「社会全体のイメージやビジョン」・「ゴール」、地域包括ケアシステムは「日本社会全体で実現していこうとする『地域共生社会』を実現するための『システム』『仕組み』」、「プラットホーム」(6頁)と整理しています。ちなみに、塩崎大臣も上記国会答弁で、地域共生社会は「地域包括ケアシステムのいわば上位概念」と述べています。

目標年は2025年から2040年へ

民主党野田佳彦政権から自公安倍晋三政権に引き継がれた「社会保障・税一体改革」の公式の目標年は現在も2025年とされていますが、本報告書では、それは「最初の目標年」に格下げ(?)され、実際の目標年は「死亡者数がピークに達する」2040年とされています(7頁)。これは、厚生労働省の最近の一連の文書と共通していますが、「2040年に向けた課題は、『いかにして団塊の世代を看取るか』という点に集約される」(9頁)とのストレートな表現が用いられています。ちなみに、「2040年」という用語は本文で40回も使われています。

報告書は、それに続いて、今後の「人的・財政的制約」と「2040年に向けた『前向きな視点』」を指摘した上で、「2040年に向けて求められる4つの取組」を次のように示しています。①要介護リスクが高まる年齢の後ろ倒し=「予防」の推進。②中重度者を支える地域の仕組みの構築、特に多職種連携の仕組みの構築。③介護サービス提供体制の効率化による生産性の向上。④地域マネジメント(12頁)。以下、4つの課題について順に検討します。

「地域でつながる」「もうひとつの予防」

第1の課題では、「『尊厳』と『自立支援』を守る『予防』」の重要性を強調した上で、従来の介護予防概念(第一次~第三次)に、「もう一つの予防」として、「地域でつながる」を加えることを提唱しています(14-17頁)。これは、従来の予防が「どちらかと言えば心身機能や生活機能を重視してきた」のと異なり、「地域や社会に参加し、住民が『つながる』状態に向けた支援」、「『地域環境』・『社会環境』の整備・改善」とされ、「ゼロ次予防」とも呼ばれています。

この「地域でつながる」「もうひとつの予防」は、厚生労働省「『地域共生社会』の実現に向けて(当面の改革工程)」(2017年3月)の中で、「つながりの再構築」が改革の4つの柱の一つとして提示されたことに対応していると思います。

中重度者を地域で支える仕組み、多職種連携を重視

第2の課題(中重度者を支える地域の仕組みの構築、特に多職種連携の仕組みの構築)は、本報告書が最も重視している課題であり、新たに自宅と「自宅以外の住まい」を「中重度でも生活できる場」としていくことが提起されています(18頁)。ちなみに、「中重度」という用語は本報告書では14回も使われていますが、前回報告書の本文では使われていませんでした。私は、第2の課題の記述で、以下の3点に注目しました。

第1は、「多様な住まいに対して、どのような形で医療サービスを提供していくかは一つのポイントになるだろう」と指摘していることです(18頁)。これは地域包括ケア研究会が、「中重度者を地域で支える」ためには、相当高水準の医療が不可欠であることを認識したためと思います。この点は、次に述べる第3の課題でも同じです。

第2は、「それぞれの地域におけるライフケアコストをどう考えるか、すなわち、介護や医療だけでなく、広く地域での生活を継続するために必要な社会的なコストをどう考えるかという視点も必要」と指摘していることです(19頁)。これはコンパクトシティやスマートシティを推進するための布石と思いますが、伝統的な地域・在宅ケアの経済評価(費用効果分析等)では費用に上記「社会コスト」を含んでおらず、研究的にも重要な提起と思います。

第3は、「多職種連携」を強調し、それについて多面的検討を行っていることです(19~23頁。実質3頁)。前回報告書は「医療・介護連携と多職種連携の促進」を初めて提起しましたが、半頁のみでした。特に、「医療と介護は、より『統合された状態』となり、『多職種連携によるチームケア』が当たり前になっている状態が不可欠」という指摘は重要と思います(19頁)。報告書は、「多職種連携に求められる3つの場面」として、以下の3つの場面を示しています:①退院し在宅に戻る際、②在宅での日常的な生活、③人生の最終段階。①~③のすべてで多職種連携が求められるとの指摘も重要と思います。

本報告書では新たに「多職種連携教育(IPE)の必要性」も強調し、しかも、「全国的に専門職の教育課程にIPEを必修科目として設定するべきであろう」(22頁)と提起しています。これは、社会福祉系大学やそれの全国組織(日本ソーシャルワーク教育学校連盟)への重要な問題提起・追い風と言えます。

サービスの一体的提供のための「複合体」化を推奨

第3の課題(介護サービス提供体制の効率化による生産性の向上)では、従来の「バラバラに提供されてきた在宅サービス」の問題点を指摘した上で、「各サービスの強みを活かした一体的提供の実現が必要」と強調し、それを実現するための「サービス事業者の法人としての選択肢」として、次の4つを提起しています:①現状維持、②法人規模の拡大、③他事業・法人との連携、④経営統合(25頁)。このうち、②と④はサービス事業者への「保健・医療・福祉複合体」化の勧めとも読めます。

前回報告書も、「大規模な社会福祉法人等が、地域の中で多様な介護サービス事業を展開」していることを肯定的に評価していましたが、それは、「人口減少が進み、地域支援の確保が困難な地方の市町村」の「介護サービス」に限定されていました(25頁)。しかし、本報告書は、地域の限定も、介護・社会福祉法人等への限定もしていません。前回報告書では「社会福祉法人等」と書かれていましたが、本報告書は、「社会福祉法人や医療法人」が同格で書かれています。このことは、地域包括ケア研究会が「中重度者を地域で支える」ためには、介護サービスに加えて、相当高水準の医療サービスが不可欠なことを認識したためと思います。
さらに、報告書は、「介護・福祉版の地域医療連携推進法人の成立」も提唱しています(25頁)。これは、2017年度からスタートした地域医療連携推進法人の拡張版と言えますが、本年4月にスタートした地域医療連携推進法人が4法人にとどまることを考えると、少なくとも当面は実現可能性はないと思います。

地域マネジメントにおける「場」の重要性を提起

第4の課題(地域マネジメント)は、前回報告書で初めて提起された市町村による「地域マネジメント」の「議論を深め」たもので、11頁(報告書の3割)にわたって詳述されています。前回報告書では「企画業務の『法定化』と専門職員の配置」等の具体的制度改革が提起されていたのと異なり、本報告書は規範的記述が多く、一見地味に見えますが、新たに「地域マネジメントの『場』の重要性」が多面的に提起されており、自治体担当者や社会福祉協議会職員は必読と思います。なお、この「場」という概念は地域福祉領域では以前から強調されているそうです。

報告書は、「できるだけ円滑に地域マネジメントを進めるためには、関係者での目的意識の共有が欠かせない」として、既存の各種公式会議を「目標達成に向かうための場」としてだけでなく、「積極的に意思決定に参加しようとする場」としても運営されるべきとしています(29頁)。そして、行政と地域・住民が「目標達成に向かうための[さまざまな]場」を通して、「課題・目標・取組の共有」を進めることが提唱されています(30頁の図)。

「地域マネジメント」について私が注目したことは2つあります。1つは、従来の地域福祉計画で定番とされてきた「PDCA」(Plan-Do-Check-Action)サイクル一辺倒ではなく、「住民主体の活動支援」等では、「当初とは異なる取組に変わってしまうような状況は一般的によくあることであり」、「PDCAのような評価・モニタリングが適していない場合も多いため、こうしたケースに対しては行政が強く介入し管理するようなマネジメントは適切ではない」と認めていることです(31頁)。

もう一つ注目したことは、国による「市町村支援のありかた」として、「地域マネジメントの具体的プロセスの達成度に基づく支援」が強調されていることです(35頁)。これは、従来、国が自治体に示してきた指標の大半が「アウトカム」指標であったのと対照的です。

今後、自治体職員がこの2つの警告を遵守して地域マネジメントを行えば、各地で住民主体・利用者本位の地域包括ケアが推進されると期待できます。

【注】塩崎大臣も昨年は地域包括ケアは高齢者以外に「深化」すると約束

塩崎恭久厚生労働大臣は、2016年5月11日の経済財政諮問会議に提出した資料「経済・財政再生計画に沿った社会保障改革の推進②」の「地域包括ケアの深化に向けた新たな施策展開」の「基本的な考え方」では、「今後はさらに、地域の生活支援サービスの育成・支援を図る仕組みを整備しつつ、医療、介護等の公的サービスとの適切な組み合せにより、高齢者のみならず、地域で支援を必要とする方々の暮らしを支えられるよう、地域包括ケアを深化させていく」と述べました。私は、このような「地域包括ケアの深化」は、厚生労働省プロジェクトチームが2015年9月に発表した「新福祉ビジョン」や「地域包括ケア研究会2015年度報告書」で示された、地域包括ケアシステムの対象拡大と同一の改革提案と評価しました(『地域包括ケアと福祉改革』勁草書房,2017,31頁)。

塩崎大臣は、2016年10月に刊行された『平成28年版厚生労働白書』冒頭の「刊行にあたって」でも、地域包括ケアを「高齢者施策の問題にとどめることなく、すべての住民のための仕組みに深化させたい」と述べました(上掲書82頁)。

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3.最近発表された興味ある医療経済・政策学関連の英語論文(通算137回)
(2017年分その6:8論文)

「論文名の邦訳」(筆頭著者名:論文名.雑誌名 巻(号):開始ページ-終了ページ,発行年)[論文の性格]論文のサワリ(要旨の抄訳±α)の順。論文名の邦訳中の[ ]は私の補足。

○[ヨーロッパ5か国における]病院の冠動脈バイパス術の手術数と死亡率:国際比較により安全域[最低手術数]を決める
Gutacker N, et al: Hospital surgical volumes and mortality after coronary artery bypass grafting: Using international comparisons to determine a safe threshold. Health Services Research 52(2):863-876,2017.[量的研究・国際比較研究]

本研究の目的は、冠動脈バイパス術(CABG)を実施する病院にとっての安全な最低手術数を推計することである。対象はヨーロッパ5か国(デンマーク、イングランド、ポルトガル、スロベニア、スペイン)の病院で2007-2009年に公的医療保障によりCABGを受けた全患者106,149人である。階層化ロジスティック回帰モデルにより、ケースミックスを制御した上で、各病院の年間手術数と死亡率との関連を推計した。分割回帰分析により、閾値を推計した。先行研究を踏まえて、病院の手術数は少ない(年間125件未満)、中程度(125-449件)、多い(450件以上)に分けた。手術後30日以内死亡率は総数では3.0%であったが、手術数が少ない病院では5.2%(95%信頼区間:4.0-6.4)、手術数が多い病院では2.1%であった(同:1.8-2.3)。死亡率を国別に見ると、1病院当たり平均手術数が少ないスロベニアとスペインで高かった(それぞれ3.5%、4.9%)。手術数と死亡率は明らかな曲線的関係にあり、1病院当たり年間手術数が415件を超えると死亡率は一定となった。この結果から、手術数の安全域は年間415件と結論づけられる。

二木コメント-ヨーロッパ5か国のCABGでは、安全な手術数の閾値(年間最低手術数)が存在することを実証した貴重な研究と思います。

○[アメリカにおける]急性期病院および急性期後医療施設[ナーシングホーム]の特性の大腿骨骨折による入院後のアウトカムに対する寄与を比較する
Neuman M, et al: Comparing the contributions of acute and postacute care facilities to outcomes after hospitalization for hip fracture. Medical Care 55(4):411-420,2017.[量的研究]

本研究の目的は、急性期および急性期後医療施設の特性の大腿骨骨折による入院後の生存率と機能的アウトカム(functional outcomes.以下、歩行能力)に対する寄与を定量化することである。メディケアデータを用い、ナーシングホーム入所者で骨折前は歩行可能であり、大腿骨骨折により急性期病院に入院して手術を受け、その後ナーシングホームに退所した患者を対象にして、データの後方視的コホート分析を行った。ロジスティック回帰分析により、ナーシングホームに退所した患者の入院後30日と180日時点での歩行能力と生存率と、病院とナーシングホームの特性の関連を測定した。

対象45,996人のうち1814人(3.9%)が入院中に死亡し、42781人(93%)がナーシングホームに退所した。後者のうち急性期病院に入院してから180日以内に12,126人(28%)が死亡し、20479人(48%)が死亡または新たに歩行不能になった。病院の特性とこれらのアウトカムとの間に明確な関連はなかった。複数のナーシングホームの特性(定員、ナーシングホームチェーン傘下であること、いくつかの質指標等)によりアウトカムを予測できた。アウトカムのバラツキの説明力に対するナーシングホームの特性の病院の特性に対するオッズ比を見ると、30日死亡率では3倍、180日死亡率では7倍、180日死亡または歩行不能率では7倍であった。以上から、ナーシングホームの特性は病院の特性より、大腿骨骨折の臨床的アウトカムのバラツキの多くを説明できると結論づけられる。

二木コメント-急性期病院のアウトカムに比べて研究がごく少ないナーシングホームのアウトカムについてのビッグデータ研究で、貴重と思います。

○[アメリカで]新規に糖尿病と診断されたメディケア加入者に対する糖尿病自己管理訓練の1年後のアウトカム
Strawbridge LM, et al: One-year outcomes of diabetes self-management training among Medicare beneficiaries newly diagnosed with diabetes. Medical Care 55(4):391-397,2017. [量的研究]

糖尿病はメディケア加入者で非常に多く、多額の医療消費を伴う。疾病自己管理等の健康アウトカムを改善する戦略は糖尿病の費用増加を抑制できる可能性がある。糖尿病自己管理訓練(DSMT)の短期の便益は確認されているが、メディケア加入者に対する長期間の影響はまだ知られていない。レセプトデータを用い、糖尿病と診断後、半年~1年間の観察研究を行った。メディケア加入者の20%ランダム化標本に含まれる、2009~2011年に新規に糖尿病と診断され、DSMTに参加した14680人を参加群とし、対照として参加群とマッチングしたDSMT非参加患者を用いた。DSMT参加群と非参加群の医療サービス利用・費用を比較した。DSMT参加群は、認定された事業者に紹介され、最初の年は最大10時間、それ以降は毎年2時間ずつ訓練を受ける。医療利用にはすべての病院利用(救急外来と糖尿病関連疾患による入院)および調査期間中の入院・救急外来を含み、費用には調査期間中のすべてのメディケア費用(パートAとパートB)を含んだ。
多変量解析の結果、DSMT参加群は非参加群に比べ、入院のオッズ比が14%少なく、メディケア費用も830ドル少なかった。DSMT参加群は対照群に比べて、入院と救急外来受診のオッズ比も低かったが、統計的には有意でなかった。

二木コメント-一見糖尿病の自己管理訓練が医療利用と費用を削減するように見えますが、費用に自己管理訓練プログラムの費用(患者の時間費用も含む)が含まれていません。しかもランダム化試験ではないため、ランダム化試験の場合より便益が過大に推計されているのは確実と思います。

○[アメリカにおける]プライマリケア労働力の経時的変化と患者アウトカムとの関連
Chang C-H, et al: Association between temporal changes in primary care workforce and patient outcomes. Health Services Research 52(2):634-655,2017.[量的研究]

本研究の目的はプライマリケア労働力の10年間の経時的変化とメディケア加入者のアウトカムとの関連を検討することである。2001年と2011年のアメリカ医師会マスターファイルとメディケア加入者約500万人の診療報酬請求書を用いる。プライマリケアサービス圏ごとの2種類のプライマリケア労働力指標を用いた:人口1万人当たりプライマリケア医数とメディケア加入者1万人当たり常勤換算プライマリケア医数。患者アウトカムとして、死亡率、「外来ケアで注意を要する疾患」(ambulatory care-sensitive condition(ACSC):プライマリ・ケアで適切にマネジメントすることで、不必要な入院を防ぐことができる可能性のある疾患)による入院と救急外来受診の3つを用いた。プライマリケア労働力の変化と患者アウトカムとの限界的関係をポアソン回帰モデルにより測定した。
その結果、人口1万人当たりプライマリケア医1人の増加は10万人当たり15.1人の死亡率低下、同39.7件のACSCによる入院減少と関連していた(両者ともp<0.05)。メディケア加入者10万人当たり常勤換算プライマリケア医1人の増加はメディケア加入者10万人当たり82.8人の死亡率低下、同160.8件のACSCによる入院減少、同712.3件の救急外来受診の減少と関連していた(すべてp<0.05)。以上より、メディケア加入者のアウトカムはプライマリケア医数と彼らの活動(clinical effort)が増加すると改善する、しかもプライマリケア医数よりも彼らの活動の方が重要であると結論付けられる。

二木コメント-ビッグデータを用いて、プライマリケア医と彼らの活動が患者アウトカムの改善に効果的であることを示したキレイな(キレイすぎる?)研究です。

○インフォーマルケアとフォーマルケア:認知症者のケアで代替か補足か?ヨーロッパ8か国の実証的エビデンス
Bremer P, et al: Informal and formal care: Substitutes or complements in care for people with dementia? Empirical evidence for 8 European countries. Health Policy 121(6):613-622,2017.[量的研究・国際比較研究]

公的費用抑制のために、ヨーロッパ諸国はインフォーマルケアを促進しようとしている。しかし、そのような費用抑制戦略はインフォーマルケアがフォーマル医療サービスの代替である場合にのみ成功する。そのために、認知症者のインフォーマルケアがいくつかのフォーマルな医療サービス利用に与える影響を分析した。EUプロジェクト「適切な時・場所のケア」(前向きのコホート調査)で得られた一次データを用いた。この調査には8か国が参加し、1223人の自宅でインフォーマルケアを含む認知症者が含まれている。回帰分析の枠組みで、インフォーマルケアと以下の3種類のフォーマル医療サービスとの関連を分析した:ホームヘルプの時間、訪問看護回数、外来受診回数(すべて調査前月の実績)。インフォーマルケアの強度は家族による1日当たり認知症者のADL・手段的ADL援助時間で評価した。
その結果、フォーマルケアとインフォーマルケアとの関連はフォーマルケアの種類により異なっていた。例えば、フォーマルケアの増加はホームヘルプ時間と訪問看護需要の減少と関連していたが、外来受診回数は関連しなかった。以上から、インフォーマルケアの増加はフォーマルな在宅ケアサービスの量を減らすことにより、公的医療費抑制に効果的であると結論づけられる。ただし、この効果は国により異なっていた。

二木コメント-「問いの設定」は魅力的で、分析と考察も厳密ですが、得られた「政策的含意」はやや月並みと思います。また、「インフォーマルケア」の費用(機会費用等)を考慮していないのは問題だと思います(このことは「結論」部分で認めています)。

○ドイツの2013年Pflege-Bahr改革の文脈での補足的長期ケア保険の新興市場
Nadash P, et al: The emerging market for supplemental long term care insurance in Germany in the context of the 2013 Pflege-Bahr reform. Health Policy 121(6):588-593,2017.[政策研究]

長期ケア費用の増加は多くの国で医療・社会的ケア制度の重荷になっており、それらの国々は個人・家族が長期ケアニーズがもたらす経済的リスクに自己防衛することを奨励している。ほとんどの国民が強制加入であるドイツの公的長期ケア保険制度はよく知られているが、ドイツで増加している任意加入の私的長期ケア保険市場はほとんど知られていない。本論文はドイツの政策立案者が、私的長期ケア保険を拡大するために、税制適格保険購入に補助金を支払うことにした2013年改革について検討する。

市場拡大のデータを示し、政策目標がどの程度達成されたかを検討し、補足的保険購入のための公的補助金は市場を急拡大させたが、その刺激効果は年と共に(2013~2015年に)減少したことを示す。改革には低リスク個人に有利な保険購入のインセンティブも組み込まれていたが、同じ期間に、補助金を受けない保険市場の増加は鈍化した。保険料は安いが低給付の保険に対する補助金は市場拡大という目標を達成したが、これら保険の全体的影響と長期の存続可能性は不明である。この改革の影響はドイツの核となる制度(公的長期ケア保険)の大きな拡大によっても、不明瞭になっている。

二木コメント-日本ではほとんど知られていない、ドイツの私的長期ケア保険(拡大政策)の貴重な報告と思います。

○地域基盤の長期ケアから施設ケアへの移行:[社会保障法]第1915条c項の除外プログラム利用者とPACE利用者との比較
Segelman M, et al: Transitioning from community-based to institurional long-term care: Comparing 1915(c) waiver and PACE enrollees. The Gerontologist 57(2):300-308,2017.[量的研究]

本研究の目的は、長期間のナーシングホーム入所リスクと、ナーシングホーム入所時のADLと知的障害のレベルを、PACE(高齢者包括的ケアプログラム)利用者と社会保障法第1915条C項による高齢者・障害者除外プログラムにより、州独自の通常の在宅・地域ケアを受けている高齢者とで比較することである。2005~2007年の全米12州での両プログラムの新規利用者を同定し、2009年まで追跡調査した。調査対象は除外プログラム群97,035人、PACE群4,733人である。新規利用から長期間のナーシングホーム入所(90日以上)までの期間、およびナーシングホーム入所時のADLと認知障害のレベル、総合的障害レベルを比較した。
除外プログラム群と比べると、PACE群のNH入所割合は31%低かった(それぞれ16.9%、12.76%)。PACE群のナーシングホーム入所時の認知障害レベルは除外プログラム群に比べて有意に重かった(細かい数値は略)。PACEは除外プログラムよりも長期間のナーシングホーム入所を減らし、特に認知機能障害のある高齢者がより長期間地域にとどまる効果を持っている可能性がある。

二木コメント-PACEは1970年代にカリフォルニア州サンフランシスコ市の中国人街に居住する低所得の障害高齢者を対象として始まったOnLok(安樂居)programを源流とし、1997年に連邦政府の認可を受けて全国展開しているメディケアとメディケイドを財源とする統合型地域ケアケアプログラムです。それが伝統的な非統合型在宅・地域ケアプログラムよりも費用効果的であることは、1980年代からたびたび報告されており、本報告はそれの最新版です。ただし、今回は費用の比較は行われていません。

なお、OnLokの初期の費用効果分析は拙著『リハビリテーション医療の社会経済学』(勁草書房,1988)所収の「障害老人の在宅ケア-条件と費用効果分析」(98-120頁)の113頁で初めて紹介しました。PACEについては、近藤克則「オンロック/PACEモデルにみる医療福祉統合(1),(2)」(『病院』60(2,3):135-141,240-247,2001.2,3.)が詳細に報告しています。

【補足】2017年7月13日に開かれた医療介護福祉政策研究フォーラム主催第3回国際交流研究会「海外の統合ケアプログラム探訪(Ⅰ)米国のオンロック/PACE」配付資料によると、PACEプログラム参加者の大半を占めるメディケア・メディケイド併給者の2013年の1人1月当たり平均償還費用は5613ドル(OnLok分の内訳:長期ケア65%、医療26%、管理費用9%)だそうです。

○医療におけるエイジズム[高齢者差別]と自律:[フェミニズムの]関係性のレンズ[関係依存的自律]を通しての説明
Pritchard-Jones L: Ageism and autonomy in health care: Explorations through a relational lens. Health Care Analysis 25(1):72-89,2017[理論研究]

エイジズムは近年、ケアの文脈で注目されるようになっている。同様に、自律も医療の法と倫理で中心的な概念になっている。本論文ではエイジズム(高齢と高齢者に対する一連の否定的態度)が、医療において高齢者が最大限自律的意思決定をする能力に影響を与える仕方を探索する。特に、フェミニストが構築した自律を関係性と見なす視点[関係依存的自律]に依拠して、このリンクを確立する鍵は、自己信頼、自己価値および自己尊重等の自己関係概念であることを示す。本論文はこれらが高齢と高齢者ケアに対する否定的態度の内面化によって影響されていることを示す。この視点から、どんな法的・政策的対応もエイジズムが自律に与えている回路について敏感かつ柔軟になるべきである。

二木コメント-「自律」は通常は個人レベルでとらえられ、依存・介助と対立するものと見なされていますが、フェミニズムではこのような「個人的自律」(individual autonomy)に対して、「関係依存的自律」(relational autonomy)を対置しているそうです。この概念を用いれば、自立と介助は二者択一ではなく「スペクトラム」を形成することにもなります(本文77頁)。ちなみに、私のリハビリテーション医学上の恩師の上田敏先生も、名著『リハビリテーションを考える』(青木書店,1983,22-25頁)で、「リハビリテーションにおける自立にはさまざまな段階」があることを指摘し、「[障害者の]自立と援助のあるべき関係」について多面的・先駆的考察をしています。なお、「関係依存的自律」を含めた各種の自律概念については次の文献が詳細に検討しています:圓増文「自律は『尊重の対象』なのか-生命倫理における自律概念の再検討」『エティカ』(慶応義塾大学倫理学研究会)第7号:101-126,2014(ウェブ上に公開 リンク (PDF))。


4.私の好きな名言・警句の紹介(その152)-最近知った名言・警句

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