いのちとくらし別冊No.3『病院再編・専門医制度・医師の働き方改革―コロナ禍を振り返り医療提供体制を考える 付:イタリアの家庭医と日本の地域医療(東京・京都、2018年)』
- ISBN 978-4-903543-19-2
- 頒価 1部1,200円、20部以上は1部500円(+送料)
- B5判、112頁
発行日2023年03月31日
本書は日本の医療提供体制に関する3つの座談会(機関誌からの再掲)と、イタリアと日本の地域医療に関する15周年記念シンポジウム報告(2018年開催)とで構成されています。
第1部では現在の医療提供体制改革をめぐる課題を扱い、医師の専門医制度や医師の働き方改革によって特に若手医師の志向が変容することや、地域医療構想による機能分化が全国一律には成り立たないことへの懸念が明らかにされています。
第2部ではイタリアにおける家庭医の現状を日本と比較することで、日本の開業医や診療所が果たしている家庭医・かかりつけ医の役割を振り返ることができ、政府の進める医療の三位一体改革の影響を批判的に検討すること、コロナ禍においてイタリアの家庭医がどのような状況に置かれたかを理解することの一助となります。
別冊No.4『病院再編の現実―医療機能分化の中でいのちをまもるために―』と合わせてご覧いただくことで、地域医療をめぐる現状がより明らかになるといえます。
目次
- 第1部 日本の医療提供体制と専門医制度に関する座談会
- Ⅰ.(第1回)社会医学系専門医制度座談会(初出:『いのちとくらし研究所報』67号、2019年7月)(小泉昭夫、松田亮三、広瀬俊雄、(司会)吉中丈志)
- Ⅱ.コロナ禍で進行する医療提供体制改革を立ち止まって考える(初出:『いのちとくらし研究所報』78号、2022年3月)(髙橋雅哉、尾形和泰、垣田さち子、松田亮三、(司会)吉中丈志)
- Ⅲ.専門医制度と地域医療構想(初出:『いのちとくらし研究所報』81号、2022年12月)(村口至、山本一視、山田秀樹、(司会)吉中丈志)
- 第2部 イタリアの家庭医と日本の地域医療(東京・京都、2018年)
- Ⅰ.フランチェスコ・ビアヴァーティ先生講演「イタリアの家庭医が見た地域医療」
- Ⅱ.イタリアの家庭医と地域医療の日伊比較(東京)
- 開会挨拶(高柳新)
- イタリアと日本の医療の比較(村口至)
- 日本の医療・介護の問題~日本医師会の対応~(石川広己)
- 開業医の地域医療における仕事(中村洋一)
- 質疑応答
- Ⅲ.イタリア家庭医と日本の開業医の未来(京都)
- 主催者挨拶(吉中丈志)
- イタリアの医療機構の概要(松田亮三)
- 日本の開業医的医療(垣田さち子)
- 日本の家庭医の状況(高木幸夫)
- 右京医師会と地域医療への関わり(高島啓文)
- 質疑応答
- 閉会挨拶(渡邉賢治)
- Ⅳ.補遺 ボローニャにおけるコロナ対策と家庭医(石塚秀雄)