総研いのちとくらし
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『二木立の医療経済・政策学関連ニューズレター(通巻81号)』(転載)

二木立

発行日2011年04月01日

出所を明示していただければ、御自由に引用・転送していただいて結構ですが、他の雑誌に発表済みの拙論全文を別の雑誌・新聞に転載することを希望される方は、事前に初出誌の編集部と私の許可を求めて下さい。無断引用・転載は固くお断りします。御笑読の上、率直な御感想・御質問・御意見、あるいは皆様がご存知の関連情報をお送りいただければ幸いです。

本「ニューズレター」のすべてのバックナンバーは、いのちとくらし非営利・協同研究所のホームページ上に転載されています:http://www.inhcc.org/jp/research/news/niki/)。


目次


訂正

本「ニューズレター」80号転載論文「医療への市場原理導入論の30年」の<財務省の『財政百科』>は<大蔵省の『歳出百科』>の誤記です(正確な記載は、文献4)。

お願い

「大学院『入院』生のための論文の書き方・研究方法論等の私的推薦図書(2011年度版)」に含まれていないお薦めの図書がありましたら、お知らせ下さい。その際、推薦理由を簡単にお書きいただければ幸いです。掲載図書の新版・改訂版等が出ている場合も、お知らせ下さい。ご教示いただいた図書の現物をチェックした上で、適宜、2011年度の大学院講義・演習で紹介したり、上記図書リストの2012年度版に加えます。

お知らせ

論文「なぜ民主党政権で医療分野への市場原理導入論が復活したのか?」を『日本医事新報』4月2日号(No.4536)に掲載します。本「ニューズレター」82号(5月1日配信)に転載予定ですが、早めに読みたい方は同誌掲載論文をお読み下さい。


1.論文:「医療産業」・「医療の産業化」という用語の来歴

(「二木教授の医療時評(その87)」『文化連情報』2011年4月号(397号):19-23頁)

菅直人民主党政権の医療政策では「医療産業」・「医療の産業化」がキーワードになりつつあります。両用語は、麻生政権末期の2009年8月に発足した経済産業省「医療産業研究会」で用いられ始め、政権交代後の2010年6月に発表された「医療産業研究会報告書-国民皆保険制度の維持・改善に向けて」のキーワードとなりました。その後、両用語は内閣府行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会でも用いられるようになり、分科会が本年1月26日発表した「中間取りまとめ」の「医療分野における制度改革の方向性」では、日本は「医療の産業化という点では他の先進国に遅れをとっている」ため、今後は「イノベーションにより、周辺産業も含め医療産業を成長させること」が必要とされました。

「医療の産業化」という用語は多義的ですが、「医療産業研究会報告書」では、「公的保険制度の枠外の自由な市場での資本蓄積や技術進歩の基盤整備を実現し、自律的な成長を可能とする」という「新しい視点」が強調されました。そのために、私は同報告書を「医療分野への市場原理導入宣言」と批判しました(1:53頁)。「中間取りまとめ」では、「医療の産業化」はもう少し広い意味で用いられていますが、「医療産業研究会報告書」と同じ意味で用いている部分もあります。

そのため、医師会・医療関係者の間では「医療の産業化」に対する警戒心が強く、医療では倫理が重要であることを理由にして、医療を産業と規定すること自体を否定する方も少なくありません。そこで、本稿では、「医療産業」・「医療の産業化」という用語の来歴についての文献学的検討を行います。結論的に言えば、「医療産業」という用語は経済学的には妥当ですが、「医療の産業化」という表現は「医療の営利産業化」という意味で用いられるため、使用しない方が安全です。なお、本稿は、本「医療時評」3月号の「医療への市場原理導入論の30年-民間活力導入論から医療産業化論へ」(2)の「補足編」でもあります。

経済学的には医療は「産業」に含まれる

広義の医療のうち、医薬品産業・医療機器産業等が「産業」に含まれるのは自明です。それだけでなく、狭義の医療(病院・診療所等)も、経済学的・産業論的には「産業」に含まれます。経済学にはいくつかの潮流がありますが、そのすべてで医療(サービス)は「サービス(産業)」に含まれるとされています。ただし、ここでの「サービス」・「産業」は、価値判断を含まない純中立的概念です。
「日本標準産業分類」(2002年改定)の「産業の定義」でも、以下のように医療が産業に含まれることが明示されています。「産業とは、事業所において社会的な分業として行われる財貨及びサービスの生産又は提供に係るすべての経済活動をいう。これには、営利的・非営利的活動を問わず、農業、建設業、製造業、卸売業、小売業、金融業、医療、福祉、教育、宗教、校務などが含まれる」。なお、最新の「日本標準産業分類」(2007年改定)では「産業の定義」が簡素化され、具体的な産業名の例示は削除されました。

「日本標準産業分類」は1949年にアメリカの産業分類の強い影響を受けて始まったのですが、第1回分類から、サービス業(大分類)の中に「醫療保健業」(中分類)が含まれていました(それの小分類は、診療所、病院、療術所、保健所、助産婦業、看護業、醫學試験所及び歯科技工所の7つ)。1976年改定時に、「産業の定義」に非営利の事例として新たに「医療」が加えられました(3:94頁)。さらに、上述した2002年改定時に、「医療、福祉」は中分類から大分類に昇格しました。

『平成7年版厚生白書』と『厚生白書昭和35年度版』

旧厚生省の公式文書で、医療を初めて「サービス産業」であると明示して、包括的分析を行ったのは『平成7年版厚生白書』です(4)。同書の第5章第2節「医療と産業」は、「医療はサービス産業の中でも成長産業としてとらえられ、また大きな地位を占めていること」、「国民経済の生産増に貢献する」こと、「直接間接に300万人以上の雇用を生みだすなど、経済の安定にも貢献している」ことを論じました。さらに、産業連関表(1990年)を用いて、医療の経済全体への「波及効果」を初めて推計しました(実際の推計作業を行ったのは医療経済研究機構)。

医療と経済成長との関係を考える上で忘れてならないのが『厚生白書昭和35年度版-福祉国家への道』です。この白書は、『厚生白書平成7年版』に35年も先だって、社会保障が経済成長にとってマイナスであるとして消極的な対応しかしない考え方を批判して、社会保障の経済効果として経済後退期の平準化効果を説き、「経済成長を重んじる立場に立っても、社会保障はじゅうぶん支持されなければならない」と主張しました。このような「高福祉社会」をめざす主張は、1970年代前半の『厚生白書』まで継続しました(5:52-53頁)。厚生省・厚生白書が、「医療費亡国論」(吉村仁保険局長・当時)を旗印にして、医療費・社会保障費抑制政策に転換したのは、中曽根内閣が1982年9月に医療費・医師数抑制を閣議決定して以降です(6:166頁)。

産業連関表を用いた医療等の経済効果の推計は、医療経済研究機構によってその後も継続されており、最新版は産業連関表(2005年)を用いた『医療と介護・福祉の産業連関に関する分析研究報告書』(2010)です。ちなみに、同報告書は、医療等を「成長牽引産業」と位置づけた「新成長戦略」と異なり、「医療サービス活動の拡大は、国民の医療ニーズの増加に応えるのみならず、国内経済の下支えをする効果がある」と控えめに述べており、注目されます(52頁)。

一般書での「医療産業」の意味・範囲の変化

次に、視点を変えて、「医療産業」を書名に含んだ一般書の変遷について述べます。

このような一般書が初めて出版されたのは、国民医療費の急増が注目されるようになった1960年代末~1970年代前半で、次の3冊があります。水谷千伍『医療産業』(1969)岩井喜典『医療産業』(1970)川上武・中川米造編『医療産業』(1973)(7-9)。これら3冊の対象とする「医療産業」は、医薬品産業・医療産業・ME産業等に限定されていました。

それに対して1980年代に出版された書籍では、「医療産業」に医療機関も含むようになりました。それの嚆矢は、日野秀逸・金森雅夫『医療産業と国民医療』(1981)で、医療産業を以下のように定義しました。「医療産業のもっとも広義の定義は、医療機関、医薬品、医療機器から保険をも含む医療に関連するすべての産業を指しており、またもっとも狭義の定義は医療機器産業特にME(医用電子、医用工学)産業を指している」(10:6頁)。この本は、医療への企業参入を批判的に論じていましたが、町田洋次『変革期の医療産業』(1984)はそれを中立的に紹介しました(11)。

日経産業新聞編『医療ビジネス-新時代の病院経営』(1985)は、逆にそれをビジネスチャンスとして以下のように肯定的に紹介しました。「アメリカの病院経営会社が日本の病院市場への上陸をねらって動き出した」、「公的保険の破たん、自己負担の拡大に伴ってアメリカ型の医療供給の多様化が徐々に進む」(12:47,89頁)。現在まで続く、医療への企業参入を過大評価し、それへの医療関係者の不安と企業関係者の期待・幻想をあおる日本経済新聞の体質のルーツはこの本と言えます。

「医療の産業化」の初出は80年の通産省文書

しかし、以上紹介した文書・著作では「医療の産業化」という表現は用いられていませんでした。私が調べた範囲では、それに近い表現の初出は、通商産業省の『80年代の通産政策ビジョン』(1980)です。この文書は、第9章「創造性ゆたかな産業構造の展開」の第6節「サービス経済化の進展」の「公共的サービスの産業化の促進」の項で、「医療、保健、教育などの公共サービス」等は、「社会システム産業として、民間の活力を導入してその発展を図ることが望ましい」と述べました(13:139頁)。しかもこの文書では、「民間活力」は「企業」とまったく同じ意味で用いられていました(13:34頁)。

しかし、「医療の産業化」という用語は、その後、「医療産業研究会」が用いるまで、政府・官庁の公式文書では、30年間ほとんど用いられませんでした。

小泉政権時代の吉川洋氏の主張

やや意外なことに、「医療の産業化」という表現は、医療分野への市場原理導入を全面的に主張した経済戦略会議「日本経済再生への戦略-経済戦略会議答申」(1999年)でも、小泉政権が医療分野への市場原理導入を初めて閣議決定した経済財政諮問会議「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針(骨太の方針)」(2001)等でも、まったく用いられませんでした。これは、当時は、「競争原理の導入等を通じて医療コストの抑制を実現」すること(経済戦略会議答申)が第一義的に目指されていたためであると思います。

ただし、小泉政権時代にも、吉川洋氏(経済財政諮問会議議員)は、2005年から、公的医療費と私的医療費を含んだ総医療費を峻別し、医療費の伸び率管理制度を導入して、公的医療保険の給付費は厳しく抑制しつつ、自己負担を含んだ国民医療費(正確には総医療費)の拡大を図るために、混合診療の全面解禁や保険免責制の導入を主張するようになりました(14:92頁)。私は、2005年12月に北海道医師会主催の講演会で、吉川洋氏と公開ディベイトをしたことがあるのですが、吉川氏は、従来政府内でも、国民医療費と公的医療費が混同され、抑制すべきは国民医療費か公的医療費かがアイマイであったため、同氏が各方面に「個人的キャンペーン」を行なった結果、最近では「抑制すべきは公的医療費」であることが理解されるようになったと豪語しました(15)。
吉川氏のこの主張は、「公的保険制度の枠外」の医療の拡大を主張している点で、「医療産業研究会報告書」の「医療の産業化」に通じるものがあります。ただし、吉川氏も「医療の産業化」という表現は使っていませんでした

「医療の産業化」という用語の30年ぶりの復活

そのために、医療産業研究会および内閣府行政刷新会議の規制・制度改革に関する分科会が用いた「医療の産業化」は、1980年の通産省文書の「公共的サービスの産業化の促進」という用語の30年ぶりの復活と言えます。しかし、両者には重要な違いがあります。それは、通産省文書と異なり、今回は、産業化の主体に企業だけでなく、医療機関(および企業と医療機関との共同事業)も想定していることです。

それだけに、今後「医療の産業化」政策が進められると、企業の医療分野への参入が促進されるだけでなく、一部の医療機関の企業化・営利化が促進されると私は危惧しています。故川上武先生が、1991年に明快に指摘されたように、医療の企業化には、「企業の医療への導入と、企業家的医師の活動範囲の拡大」の両方が含まれ、しかも両者の間に「明確な区別がつけにくい」からです(16:iv頁)。

[本稿は2月18日の日本医師会第4回医療政策会議での報告の一部に加筆したものです。]

文献

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2.『民主党政権の医療政策』出版記念インタビュー
国民皆保険制度と民間非営利医療機関主体の医療提供制度は維持される

(『文化連情報』2011年4月号(397号):19-23頁)

―2月に新刊『民主党政権の医療政策』(勁草書房・2520円)を出されました。

二木 本題に入る前に、私が新著を出すたびにインタビューしていただいてありがとうございます。この著書も、2009年に出した『医療改革と財源選択』と同じように、「二木教授の医療時評」を毎号掲載していただいている『文化連情報』が生みの親です。最初にお礼を申し上げたいと思います。

―こちらこそ、ずっと連載していただきありがとうございます。

マニフェストには評価すべき点も

―冒頭、「政権交代そのものは歴史的な意義がある。しかし、民主党政権が実施した医療政策で評価すべき点は全く思いつきません」と書いておられますが。

二木 民主主義社会でほとんど60年も政権交代がないのは異常ですから、どんな形であれ政権交代が起こったこと自体はやはり歴史的意味があると思います。

民主党の医療政策に関しては、2009年の総選挙のマニフェストには評価すべき点もかなりありました。特に歴史的意味があったのは、「医療費の増加」と「医師数の増加」の一般論ではなく、数値目標を明示したことです。両方ともOECD諸国の平均並みに上げるという非常に画期的なものでした。そのため、私は、総選挙前後に、もしこの政策が実現されたら、1980年代の中曽根政権時代以来四半世紀続けられてきた日本の厳しい医療費・医師数抑制政策が、根本的に転換される可能性がある評価しました。

しかし、財源については非常にあいまいで、私は、国家予算の組み替えや埋蔵金活用で財源を捻出することは無理だと、最初から指摘していました。

2010年医療費改定は、一般的には10年ぶりのプラス改定といわれていますが、公約とはほど遠い0.19%です。確かに診療報酬の技術料部分は相当上がったけれども、公表された薬価引き下げとは別に隠れ薬価引き下げがあります。それを加味した全体改定率でみるとほぼゼロパーセントで評価できません。自公政権は、小泉政権の時は小さい政府路線でしたが、福田・麻生政権では社会保障の機能強化、中福祉・中負担に路線変更しているのです。そういう点で福田・麻生政権の医療政策は、いい意味でも悪い意味でも民主党政権と比較的近いのです。そのため診療報酬は、自公政権が続いても上がっただろうと推測できますし、民主党政権の実績とはいえないと思っています。

市場原理導入論が復活

二木 それに加えて、私はマイナス面を2つ書きました。このマイナス面は、民主党政権1年半の前半と後半で違っています。前半には、手続き民主主義を無視して乱暴な政治主導がすごかったですね。中医協の委員から日本医師会の推薦を全部外したことや厚生労働省医系技官のバッシングなどです。農業政策での農協たたきも同じ構図なのですが、これが本当に目に余りました。

ただしこれには、政権交代直後の混乱期という面もあると思います。菅さんの言葉を使うと「仮免の時期」ということで、半年ぐらいで治まりました。特に昨年7月の参議院議員選挙で民主党が大敗してねじれ国会が再燃しましたから、手続き民主主義を無視した乱暴なやり方はできなくなりました。

次に菅政権になってはっきりしてきたのは、小泉政権時代に政治的・政策的に決着した問題、広くは医療分野への市場原理導入論、直接的には混合診療の原則解禁論が蒸し返されたことです。これは非常にまずいと思い、結果として、民主党政権の医療政策には、全体的に厳しい評価をせざるを得なくなりました。

―なぜ民主党政権はそのように変質し、新自由主義的な政策しか持ち得ないのでしょうか。

二木 詳しくは『文化連情報』5月号に掲載される医療時評(88)「なぜ民主党政権で医療分野への市場原理導入論が復活したのか」に譲りたいと思いますが、今年に入って、特に2月以降、菅政権の自壊作用もあり、かつて民主党政権を支持した人や期待した人にも絶望感が広まっています。民主党の政策が行き詰まった一番大きな原因は、間違いなく公的医療費を増やす財源を確保できなかったことです。ただ、これだけでしたら医療費抑制政策は復活したとしても、医療分野への市場原理導入論が復活することはないのです。

菅政権の評価については研究者の中でも意見が分かれており、完全に新自由主義にかじを切ったと言う人もいますが、私は現時点では、そこまで断言できません。民主党は自民党以上に、いい意味でも悪い意味でも幅の広い政党だからです。私が一番うまいと思う表現は、一橋大学名誉教授の渡辺治さんの「民主党は頭と胴体と手足がばらばらな政党だ」です。頭は菅代表的な構造改革派の人です。胴体は小沢派に代表される旧来の自民党型の利権派、保守的な体質です。しかし手足には結構真っ当な市民派の議員や福祉国家を掲げる議員もいる。民主党政権の政策は三者の力関係でいろいろと変わってくるのです。

いまの執行部は構造改革派が中心ですが、それ一色で党全体が染まっているわけではなく、党内外でのせめぎ合いが続いているのです。民主党の政策は微妙な力関係で今後も変わってくるので、民主党政権全体が新自由主義にかじを切って、それで変節、方針転換が完了したと切り捨てるのではなく、新自由主義的改革に反対する民主党内外の良識的な人たちとの連携や応援も必要だと思っています。

混合診療が全面禁止されているという誤解

―この本の中でも述べられていますが、いつまでたっても混合診療原則解禁論があちこちで出てきています。これは今後もずっと続くものなのでしょうか。

二木 混合診療の問題については、第3章「民主党政権下の混合診療原則解禁論争」に5つの論文を収録しています。その最後の論文が「混合診療原則解禁論はなぜゾンビのように復活するのか」です。制度・政策的には小泉政権時代に一件落着したのに、なぜ出てくるのかというと、まず混合診療がいまでも全面禁止されているという誤解があるのです。

現行制度では、効果と安全性が確立されて、ある程度普及した医療サービスは保険診療になります。効果と安全性はある程度確認されたけれど、まだ十分に普及していないものは、まず保険外併用療養費制度で混合診療として認められます。次いでその医療サービスの効果と安全性が確立され、ある程度普及した段階で、保険診療に移行するという非常に優れたルールです。この点をマスコミが丁寧に説明しないため、混合診療が全面禁止されているかのような誤解が今でも根強く残っているのです。

また、混合診療原則解禁論は、理由が1つではないので根強いのです。混合診療原則(全面)解禁論の原点は、医療分野への市場論理導入論です。医療保険の給付は最低限度にして、プラスアルファはお金のある人が自由に受けるというのが、混合診療の原点です。

それに対して、経済産業省などは、保険診療が限定的だったら医療産業の育成が遅れるから、自由診療部分を増やすことによって医療の産業化を図ろうと主張しています。混合診療裁判の原告の方は、患者の選択権や自己決定権が絶対で、それに法律で制約を加えるのはおかしいとおっしゃっていますが、これは思想的にいうとリバタリアン=絶対自由主義です。それから、大学病院とか大病院などのエリートのお医者さんに結構根強いのが、最先端の医療が保険診療で制約されているから、それを排除するために混合診療を解禁、拡大しようという主張です。

これら4つの主張・信念には矛盾もありますが、全体としては混合診療原則解禁という点では一致しているのです。

医療ツーリズムに経済成長効果はない

―「新成長戦略」の医療ツーリズム、医療関連サービスなど、今後も新自由主義に走る部分が出てきているようですが。

二木 民主党政権の医療政策のニューフェースが医療ツーリズムです。これは、個々の医療機関レベルでの対応と政策での対応を区別しなければなりません。腕に自信のある先進的な医療機関が、保険診療をきちんとするという前提で、外国の顧客に自由診療することは、法律的にも実態的にも否定できないと思います。

しかし、経済政策という点でいいますと、そのことで医療費のパイが大きくなるというのは、嘘になります。私が一番あきれたのは日本政策投資銀行のレポートです。「国際化で2020年には市場規模が5500億円くらいに上る」。すごい成長産業です(笑)。しかし実は、5500億円のうち医療本体が1681億円、あとは観光です。しかも1681億円は、2020年度の国民医療費の0.36%にすぎず、仮に予定どおりに実現したとしても経済成長効果はないのです。これを経済成長の道具に使うのは無理です。

さらに、医療価格差の問題があります。日本政策投資銀行のレポートは、日本は韓国やシンガポールなどと同水準だなど書いていますが、これはとんでもない誤りです。韓国は経済成長しているといっても、1人当たり所得は日本の2分の1くらいですから、当然、医療価格だって日本よりはるかに安いのです。特にいまはウォン安ですから、さらに日本のほうが高くなっています。

医療費財源の中心は社会保険料

―財源問題については、やはり主財源は社会保険料の引き上げということでしょうか。

二木 国際的・国内的経験から、公的医療費を抑制しつつ、市場原理を導入して私的医療費を増やして医療費全体のパイを増やすことは無理なのです。医療を健全な産業として拡大しようと思えば、公的保険制度外ではなくて公的保険制度内の部分を増やすしかないのです。問題は財源をどうするのかです。

現在はすべての政党が国民皆保険制度を維持・堅持すると公約しており、その場合医療費財源の中心が社会保険料になる以外の選択肢はあり得ません。現在の国民医療費の財源は、社会保険料が5割、税金が3割強、患者負担が1割強で、今後もこの比率を大きくは変えられないのです。ただ、社会保険料で全部まかなうわけでありませんから、高齢者や低所得者の医療費の財源は相当公費で補完せざるを得ません。この点に関しては、医療の実態をよく知っている医療政策の研究者の意見は完全に一致しています。

―社会保険の一元化や一元的運用も課題となっていますが。

二木 遠い将来を考えると、都道府県単位で医療保険の一元化という選択肢はあり得ると思います。ただし、その場合の絶対条件は、企業負担をきちんと残すことです。しかし、医療には利害関係者がたくさんいますし、今までの歴史もありますから、ガラガラポンでゼロスタートにはできません。

いまの段階でできるのは財政調整の拡大です。民主党の医療政策で私が高く評価したのが、この本の23ページから24ページにかけてにも書きましたが、マニフェストの「わが国の医療保険制度は国民健康保険、被用者保険(組合健保、協会けんぽ)など、それぞれの制度間ならびに制度内に負担の不公平があり、これを是正します」です。これは全医療保険間の財政調整です。自公政権時代は、財政調整というと健康保険の枠内、組合管掌健康保険と協会けんぽ間のことに限定されており、国民健康保険を含めて財政調整すると言ったのは民主党が最初です。しかし、政権を取ったあとは何もないですが。財政調整をきちんとやって保険料負担面での不公平を少しずつ是正するしかないと思います。

―いま社会保障と税の一体改革問題として、消費税論議が一気に浮上してきていますが。

二木 社会保障改革のために消費税増税という話になっていますが、その消費税が医療に回ってくる保証はゼロです。消費税を上げたら、まず年金の国庫負担割合を3分の1から2分の1にするために使います。次に、子ども手当に使います。さらに財政再建に回されます。消費税を一気に20%ぐらいに上げるのなら別ですが、いまの政治的な力関係では10%に引き上げるのが限界でしょう。その場合、医療にはほとんど回ってこないと思います。しかも消費税の国税部分はおおよそ6割です。

要するに社会保障全体の改革の財源と医療改革の財源は別なのです。幸い、医療関係者の間では、そのことはだいぶ認識されてきたと思います。一時は、マスコミの影響もあって、「医療費の財源は消費税」などと主張されている医療関係者もおられたし、研究者の中でも医療の実態を知らない経済学者などは、今でもほとんどが消費税です。しかし、医療の実態を知っている研究者は、ほぼ全員、保険料の引き上げが主財源と考えています。

―私どもが直面している大きな問題としてTPP問題がありますが、TPP問題と医療についてのお考えをお聞かせください。

アメリカ資本が医療を支配することはない

二木 TPPで日本農業は壊滅的打撃を受けますね。私ももちろんそれに反対していますが、TPPは農業だけではなく、医療を含めたサービス貿易の完全自由化も入っています。日本医師会が1月28日と2月16日に、続けてTPPの問題点を指摘されているのは非常に見識があると思っています。もしTPPが締結されて、アメリカの思惑どおりに医療を含めたサービス貿易の自由化が進んだら、いま以上にアメリカ資本が日本に参入する可能性が高いと思います。このことに注目して、TPPが結ばれたら日本医療のかたちが根本的に変わる、国民皆保険が崩壊すると心配されている人もいますが、それは杞憂です。

なぜなら、価格競争力の面で、医療と農業は根本的に違うからです。農業の場合には、アメリカ、オーストラリアと日本の農業は異質とも言えます。10倍以上の価格差があるから、個別の農家、農業政策の努力を超えてしまっています。これは農水省も認めています。それに対して医療では、日米の価格差は農業と逆なのです。アメリカの医療は高すぎますから、高すぎるアメリカの医療が全面的に日本に入ってきて、日本の医療市場を支配することはあり得ません。もちろん政治的な力関係がありますから一概には言えませんが、アメリカの医療参入、病院などが参入する場合でも、ごくごく例外的な富裕層対象の医療特区的なものが100%ないとはいえませんが、アメリカ資本が全国の病院市場を支配することはあり得ません。

公平で効率的で良質な医療を

―最後に本誌読者へのメッセージがありましたらお願いします。

二木 本誌の読者の皆さんも、民主党政権の医療政策に絶望していると思います。それから、厚生連の病院の皆さんは、TPPとのかかわりで医療分野にどんどん市場原理が導入されるのではないかと心配していると思います。先ほど言いましたように、民主党のマニフェストで書かれていたような、すぐに公的医療費が大幅に増えることは、残念ながら望み薄です。この点ではあまり明るいとはいえませんが、大事な点、確実な事が2つあります。

1つは、大きく見れば、医療費はこれからも着実に増加することです。医療が永遠の安定成長産業であることは間違いありません。もう1つは、民主党政権が続こうが、あるいはまた政権交代しようが、日本の医療制度の根幹、国民皆保険制度と民間非営利医療機関主体の医療提供制度がこれからも維持されることは確実です。

そういう点で見ると、厚生連は制度面でも運営面でも非営利の医療機関の最たるものですから、数はそれほど多くないにしても、理念的には非常に重要です。この2つの事を前提にして、公平で効率的で良質な医療、これが今後の目指すべき医療だと思いますので、厚生連の皆さんも、そのためにご奮闘いただきたいと思います。この本はその一助になると自負していますので、ぜひ読んでいただきたいと願っています。

(聞き手=文化連理事参事・山田尚之/2月21日)

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3.最近発表された興味ある医療経済・政策学関連の英語論文

(通算64回.2011年分その1:6論文)

「論文名の邦訳」(筆頭著者名:論文名.雑誌名 巻(号):開始ページ-終了ページ,発行年)[論文の性格]論文のサワリ(要旨の抄訳±α)の順。論文名の邦訳中の[ ]は私の補足。

○韓国の国民健康保険-過去30年間の経験
(Jeong H-S: Korea's National Health Insurance - Lessons from the past three decades. Health Affairs 30(1):136-144, 2011)[医療政策研究]

本論文では、まず韓国で1977年に国民健康保険が導入されて以来30年間の医療保険制度改革の歴史を概観し、次にこの期間の医療費構造の変化を示す。国民皆保険制度は1989年に達成され、2000年にはそれまで分立していた全保険者が一本化された(公私共同負担)。病院・診療所の大半は私的であり、患者は受診する医療機関を自由に選択できる。

1977~2007年の30年間で、総医療費に占める家計負担(保険料+自己負担)割合は87.8%から54.6%に、同自己負担割合は87.2%から38.0%に減少した。保険給付の対象となるサービスの範囲は徐々に拡大しているが、給付水準はまだ低く、公費負担割合は低い(総医療費の20.0%)ため、患者の自己負担割合はまだかなり高い。加えて、政府は診療報酬制度を管理しているため、総医療費のGDPに対する割合は2007年でも6.3%にとどまっている。このような韓国の経験は、医療保険給付の拡大や医療保険改革を検討している中・低所得国の参考になろう。

二木コメント-著者の丁炯先教授(延世大学保健行政学科教授)は韓国の医療政策研究の第一人者で、しかも同国の医療制度・政策の変化を継続的に英語論文で世界に発信しています。本論文は同教授の最新論文で、韓国の医療保険制度と医療費の30年間の変化を鳥瞰でき、大変便利です。

○医療の質と医療サービスの国際化:医療ツーリズム企業の認証と規制監督
(Turner LG: Quality in health care and globalization of health services: Accreditation and regulatory oversight of medical tourism. International Journal for Quality in Health Care 23(1):1-7, 2011)[評論]

患者は価格が手頃でタイムリーな医療を求めて国境を越えつつあり、多くの医療ツーリズム企業は国境を越えた医療サービスを組織しつつある。医療ツーリズム産業が急速に拡大したにもかかわらず、参入企業が良質で十分な国際的医療を保証するための基準はほとんど存在しない。このような規制の空白を埋めるために、医療ツーリズム産業を規制するための枠組みとして、以下の10基準を提案する。(1)医療ツーリズム企業は認証評価をうけるべきである。(2)医療は国際的に認証をうけた医療施設のみで提供されるべきである。(3)医療ツーリズム企業の顧客がインフォームド・チョイスを行使できよう法的基準を確立すべきである。(4)医療の継続性を国境を越えた医療に統合する必要がある。(5)医療ツーリズム企業による責任免除・請求権放棄書(waiver of liability forms)の使用には制限を加えるべきである。…(中略)このように医療ツーリズム企業の運営に関する高度な基準を確立することにより、患者が医療を求めて海外旅行する際に直面するリスクを減らすべきである。

二木コメント-本論文の執筆者はアメリカ・ミネソタ大学バイオエシクス・公衆衛生センターの研究者です。官庁・企業・医療機関の医療ツーリズム担当者の必読文献と思います

○[アメリカにおける]ホスピスの営利・非営利の違いと患者の病名、ケアの提供場所およびサービス提供日数との関連
(Wachterman MW, et al: Association of hospice agency profit status with patient diagnosis, location of care, and length of stay. Journal of the American Medical Association 305(5):472-479, 2011)[量的研究]

メディケアのホスピス1日当たり包括払い方式は、ホスピスがサービス提供が少なくてすむ患者やサービス提供日数が長い患者を選択する経済的誘因を生んでいる可能性があるし、非営利ホスピスと営利ホスピスではこの誘因に対して異なる反応をする可能性がある。

この点を、2007年の全国在宅・ホスピス調査データ(対象はホスピス利用の終了者4705人)を用いて検証した。指標としては、ホスピスの営利・非営利、利用者の病名(がん、認知症、その他)、ホスピスケアの提供場所(在宅、ナーシングホーム内、病院内、独立型、その他)、ホスピスサービスの提供日数および1日当たり職種別サービス提供量を用いた。

その結果、営利ホスピス(145施設、1087人)は非営利ホスピス(524施設、3618人)に比べて、がん患者の割合が低く(34.1%対48.4%)、認知症患者とその他の病名の患者の割合が高かった(それぞれ17.2%対8.4%、48.7%対43.2%)。ケアの提供場所は差がなかった。サービス提供日数の中央値は営利の方が非営利より長く(20日対16日)、サービス提供日数が365日以上以上の患者の割合も営利の方が非営利より高かった(6.9%対2.8%)。がん患者に比べ、認知症患者とその他の病名の患者では看護師やソーシャルワーカー(専門職)の1日当たりサービス提供回数が少なかった。以上より、営利ホスピスは、非営利ホスピスと比べて、専門職ニーズが少なく、サービス提供日数が長い患者をより多く受け入れていることが明らかになった。
二木コメント-病院やナーシングホームについては営利・非営利の違いがサービスの質に与える影響についての大規模実証研究は数多くありますが、ホスピスを対象にしたものはごく少なく、貴重と思います。ただ残念ながら、費用は調査されていません。

○[アメリカでは]1人当たり対人医療費の性・年齢による違いは大きい
(Cyus J, et al: Pronounced gender and age differences are evident in personal health care spending per person. Health Affairs 30(1):153-160, 2011)[量的研究]

アメリカでは、今まで年齢別の1人当たり医療費が推計されたことはあるが、性別のそれが推計されたことはない。そこで、2004年の国民医療費データを用いて男女別の医療費(総医療費、1人当たり医療費の両方)を推計したところ、女の1人当たり医療費は男より32%も多かった(女5989ドル対男4541ドル)。1人当たり医療費の男女差は労働年齢(19-64歳)でもっとも大きく、その主因は産科医療費であった。小児(0-18歳)を除けば、ほとんどのサービスと支払い者で、女の1人当たり医療費は男より多かった。総医療費の男女差は高齢者(65歳以上)でもっとも大きく、これは女の平均余命が男より長いためであった。

二木コメント-男女の1人当たり医療費にこれほど大きな差があること、およびこのような推計が今まで行われてこなかったことは意外です。日本の「国民医療費」でも男女別のデータは示されていないので、追試が必要と思います。

○アメリカの高額免責制の医療保険加入者のうち慢性疾患を持つ構成員のいる者の半数近くは大きな経済的負担を感じている
(Galbraith AA, et al: Nearly half of families in high-deductible health pans whose members have chronic conditions face substantial financial burden. Health Affairs 30(2):322-331, 2011)[量的研究]

高額免責制の医療保険-典型的には、保険給付の対象とならない免責額は1人当たり年間1000ドルかつ1家族当たり年間2000ドル-は、従来型医療保険に比べて保険加入者の負担額が多い。しかし、この保険は、保険料が安く、負担総額(保険料+自己負担)が少ないため、慢性疾患を持つ構成員のいる家族が加入できる唯一の保険である可能性もある。そこで、ハーバード・ピルグリム医療保険(非営利保険)の医療費請求データを用いて、慢性疾患を持つ構成員のいる家族のうち、高額免責制の医療保険加入者(151人)と従来型医療保険加入者(345人)とで、医療関連の経済的負担感-自己負担支払い時や支払い計画を立てる時に困難を感じた経験-を比較した。この負担を感じた加入者の割合は、高額免責制の医療保険では48%であったのに対して、従来型保険では21%にとどまっていた。低所得家族のうち、医療費自己負担分が所得の3%以上であった者の割合は、それぞれ53%、29%で2倍近い格差があった。

二木コメント-高額免責制の医療保険(多くは医療機関を受診しなかった場合の「医療貯蓄」付き)は「消費者主導医療保険」とも呼ばれていますが、慢性疾患を持つ構成員のいる家族や低所得家族では特に経済的負担が大きいことがよく分かります。

○[オランダの2006年医療保険制度改革の評価をめぐるディベイト]オランダの医療[保険]制度における[医療サービス]購入者[間]競争の効果:コップ[の水]は半分満たされているか、それとも半分空なのか(他3論文)
(Schut FT, et al: Effects of purchaser competition in the Dutch health system: Is the glass half full or half empty? Health Economics, Policy and Law 6(1):109-123, 2011. 4論文全体は109-145 pages)[医療政策研究・ディベイト]

2006年にオランダの医療保険制度は大きく改革され、医療サービス購入者としての医療保険者間の競争が強化された。本論文では購入者間競争は医療提供の効率を改善したか否かを検討する。改革後も医療提供制度・価格の規制が医療サービス配分を支配しているが、購入者間競争は入院医療、薬局、プライマリケアの提供や、医療の質についての情報を広めることに大きな影響を与えている。この視点から見れば、コップの水は半分満たされていると言える。しかし、入手可能な医療パフォーマンス指標がまだ粗いことを考慮すると、改革はまだオランダの医療制度のパフォーマンスに対して大きな影響を与えていないとも言える。この視点からは、コップの水は半分しかない。結論として、購入者間競争の効果はパフォーマンス指標、医療生産物の分類およびリスク平準化を改善する努力が成功するか否かに決定的に依存している。 

二木コメント-以上は第1論文の要旨です。Maarse H等の第2論文「オランダにおける2006年以降の医療改革の政治学」は、第1論文が半分成功と評価する根拠は不完全であり、しかも第1論文は2006年に導入された市場主義的改革の政治的文脈を無視していると批判し、改革後は市場の潜在力についての楽観論は衰退していると主張しています。第3論文では、Schutらが第2論文に反論し、最後に Bal R等の第4論文「オランダの医療における市場の実績」では、2006年改革に中立的立場から、「規制された競争」についての論争の根底には競合する2つの価値観(連帯・平等対市場競争)の対立があることを指摘しています。本ディベイトは、オランダの医療保険改革についての必読文献と思います。なお、オランダの2006年医療保険改革については、Journal of Health Politics, Policy and Law誌33巻6号(2008)もディベイト(3論文)を掲載しています(本「ニューズレター」55号(2009年3月)で紹介。執筆者は今回のディベイトとは別)

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4.大学院「入院」生のための論文の書き方・研究方法論等の私的推薦図書(2011年度版、Ver 13)

(2011年度版、Ver.13)(別ファイル:大学院「入院」生のための論文の書き方・研究方法論等の私的推薦図書(2011年度版,ver.13)(PDFファイルPDF))

1999年度以来、入学式後の大学院合同オリエンテーションの「おみやげ」として配布しているものの最新版で、2010年度版に9冊追加し、9冊削除しました(合計200冊。追加分の書名の後に●印)。今回追加した9冊とコメントは以下の通りです(掲載順)。

2011年度版:追加9冊

※「付録:研究についての名言クイズ25問」の答え:模倣、発見、ただのバカ、確信、変わる、自己懐疑、仮説、書き直さ、事実、政治スタッフ、continuation・続ける、惰性、論文、あきらめ、小さく、弁解、日曜日、勉強、スマート、社会性、雑用、恋心。

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5.私の好きな名言・警句の紹介(その76)-最近知った名言・警句

<研究と研究者のあり方>

<組織のマネジメントとリーダーシップのあり方>

<その他>

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